
うつ病になってから、食事の支度に苦労していませんか? 特に、パートナーやお子さんがいらっしゃるママ、あるいはパパにとって、食事に関する苦悩はとても大きなものだと思います。
今日は、「料理ができないよ~」とお嘆きのあなたに、そして、料理に対する私の苦手意識克服ため、料理・片付け攻略法について考えてみたいと思います。
食事の準備~片付けまで
うつ病療養中に料理をする大変さについて考えるきっかけとなったのは、精神科医・蟻塚亮二氏の言葉でした。
例えば、家事で何が大変かといえば、食事の支度です。献立を考えて、買い物をして、調理をして、食べて洗い物をして、といった具合に、食事の支度には4つも5つもステップがあります。そうなんですよね。一言で「食事の支度」「料理」と言っても、いくつもの工程があって、手間もかかります。(『誤解だらけのうつ治療』より)
そこで、蟻塚氏の言葉を参考に、食事の支度から片付けまでを7つのステップにわけました。
1.献立を考える
2.買い出しにいく
3.調理する
4.盛り付ける
5.配膳する
6.食べる
7.片づける
(3つ目の調理は、さらに細かく段階分けできますが、それはまた後日)
中でも献立は、主婦が一番苦労する点だということで、蟻塚氏はこんなアドバイスをしています。
献立は、ご主人に考えてもらいましょう。まずは御飯だけ、毎日自分できちんと炊いてみましょう。おかずもご主人に、スーパーで買ってもらって、手抜き料理でいいから、簡単に作りましょう。なるほど。そう考えれば、「ご飯を炊くだけなら何とかできるかも」と少し気持ちが軽くなりますね。料理は工程が多いので、段取りが必要。その中でいかに上手にサボるかがポイントとなるわけです。(『誤解だらけのうつ治療』より)
私の場合、「最悪、パンの耳かじっとけばいいや」と思って、サボりまくっています。
17のおさぼりアイデア
料理・片付けのハードルを下げるためには、少しでもラクなやり方を選ぶ必要があります。次に、具体的な「おさぼりポイント」を挙げてみましたので、順番にみていきましょう。
献立
頭をいかに使わないかがポイントです。
①献立は家族に考えてもらう。
誰かに献立係をお願いしましょう。もし「なんでもいい」という気のない答えが返ってきたら、ドッグフードを出しましょう。だって「なんでもいい」と言ったんだから。ねぇ?
②友達に聞く。
「昨日何食べた?」とメールで聞いてみるとか。
③「冷蔵庫にある食材名+簡単料理」で検索し、上位サイト内の一番上に表示された料理をその日のメニューとする。
例えば、「にんじん 簡単料理」で検索したり、クックパッドトップページに表示されるその日のおすすめメニューを参考にしたり。
買い出し
運動量をいかに減らせるかがポイントです。
④食卓にそのまま出せる、できあいのおかずを買う。
コロッケやからあげなど、揚げ物が定番でしょうか。たまには煮魚とか。あと、サラダとか。たまにはお寿司もいいですね。
⑤家族の会社帰り、学校帰りにおかずを買ってきてもらう。
「疲れてるのにごめんね、ありがとう」も忘れずに。
⑥すぐ近くのコンビニで買う。
最近のコンビニ弁当は、栄養バランスもしっかり考えられています。そういえば、コンビニバイトしてたとき、主婦風のお客さんけっこう多かったなぁ。
⑦ネットスーパーや宅配サービスを利用する。
うつ病を治すための必要経費と考えてみるのも一つです。
調理
いかに工程を減らせるかポイントです。
⑧ご飯を炊くだけ。
無洗米ならさらに簡単。
⑨買ってきたおかずを温めるだけ。
そのまま出したって大丈夫でしょう。
⑩インスタント食品、冷凍食品をチンするだけ。
シリコンスチーマーなどを使ったレンジで簡単にできる料理もいいですね。
盛り付け
あなたのセンスをいかに使わないかがポイントです。
⑪家族にやってもらう。
あるいは、思いっきり皿にぶちまけましょう。誰かがキレイに盛り付け直してくれるかもしれません。
⑫買ってきた器のまま出す。
取り皿だけ用意するとかね。
⑬調理した鍋のまま出す。
そのまま食卓に出せるようなオシャレなフライパンもあるそうですし、合理的ですし。ダメ?
配膳
運ぶ量・回数をいかに少なくするかがポイントです。
⑭家族にやってもらう。
我が家では、配膳は子どもの仕事でした。ちゃんとやらないと、しょうゆ「ドンッ!」ってめちゃキレられたなぁ~。
⑮台所で食べる。
運ばなくてすむよ……って、これは独り身限定ですかね。
洗い物
あなたの手をいかに使わないかがポイントです。
⑰家族にやってもらう。
「お父さんはガスコンロ大使、お兄ちゃんは皿洗いマスターで、お姉ちゃんはお皿拭き拭き女王ね」と仰々しく任命してみましょう。
⑯食洗機にまかせる。
最近は性能がかなりよくなってるみたいですね。節水にもなるとか。
⑰気が向くまで放置する。
「つけ置き洗いしてたの~」と言い訳しておきましょう。誰かが片付けてくれたらラッキーです。
最後に
独り身の私は、食について多少いい加減になっても「まぁいーや」ですみますが、主婦(主夫)の方はそう簡単に投げるわけにはいきませんよね。
「夕飯用意しなきゃ!」「お弁当作らなきゃ!」 そんなプレッシャーを感じて、つらくなっていませんか?
家族においしいご飯を作ってあげられないのは心苦しいと思います。食育も大切です。でも、それよりもっと大切なのはあなたの心と身体。つらいと思いますが、今はできるだけサボることを心がけましょう。
調子が落ち着いて元気になれば、自然と「何か作ろうかな」と思える日が来るはずです。
どうか、その日が来るまでは「ダメ母」を演じてください。客席から見守っています。
<本日の一冊>
蟻塚亮二 上野玲 (2009)『誤解だらけのうつ治療』 集英社
コメント
コメント一覧 (4)
とっても身近に感じる話題でした。
もともと料理は好きだったのですが、うつになって
全く気が向かなくなった時期がありました。
2ヶ月程前から気が向き始め、最近楽しみを取り戻し始めたところです。
まだまだ元通りには全然ならなくて、納豆ご飯でいーやなんて日も
ありますが(^◇^;)ナミさんが書いていらっしゃったように、
自然と「何か作ろうかな」って思える時が来るものなのですね。
もし嫌いでなければ、お味噌汁はとっかかりにおすすめです!
具をもやし、なめこ、なんかにすれば洗って鍋に放り込めば完成ですから 笑
私は主婦で子供(2歳児)がいるのですが、元々料理が苦手だった上、鬱になりさらにダメになりました。。
私も家事の中で、料理が一番ハードルが高いと思います。
今は平日夜は宅配のお弁当、土日はスーパーのお惣菜で済ませています。
家族に申し訳ない・・と思いますが、どうしても負担になってしまうので、今は甘えさせてもらってます。
息子が「家のご飯=お弁当」と思ってしまってるのが悲しいですが・・
いつか自然と気が向いて料理できるようになり、息子にも「おふくろの味」を残してあげられたらと思います。
それでも、最近はご飯を炊くことと、お味噌汁を作ることは、それほど苦痛を感じなくなってきたので、ベビーフードをレンジで温めるのも辛かった当初を思えばだいぶ進歩したなと思いたいです。ゆっくりマイペースで少しずつ出来ることが増えていけばいいと思うようにしています。
コメントありがとうございます。
もやしもなめこも大好きです! お味噌汁、いいですねぇ。「ちょっとやってみようかな」と思いました。行動に移せるかはわかりませんが(笑)。
うつ病になってから料理ができなくなったという声を聞くたび、料理って難易度の高い仕事なんだな~と思います。そして、それを料理をしない言い訳にしている私です……。
オススメのメニューとか料理のコツとかありましたら、また教えてください。めみ先生、よろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
やっぱりそうですよね。私も料理のハードルがなかなか越えられません。
2歳のお子さんの食事となると、気を遣うことも多いでしょうし、うつ病を抱えながらの家事はかなり大変。その中で、ご飯・お味噌汁の最高コンボを用意しているひつじさんは「スゴ母」です。それに、お味噌汁で「おふくろの味」は充分感じることができますからね。あ、2歳じゃまだ難しいかな?
ひつじさんに「スゴ母」の能力があるからこそ、今はあえての「ダメ母」で。ひつじさんのご家族への思いはきっと伝わっていると思います。
>ゆっくりマイペースで少しずつ出来ることが増えていけばいいと思うようにしています。
このスタンスって大事ですよね。私もひつじさんのバランス感覚を見習わなくては。