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精神科医が傾聴について書いた本を読んでいて、ちょっと面白いというか気になることがありました。

それは、カルテに関するアレコレ。

診察時に主治医が患者の話を聞きながら、さらさらさら~(あるいは、カタカタカタ……)と書いているアレ。「先生、何書いてるんだろー?」って思ったことありませんか?

私がうつ病と診断されて間もないころは、先生にどんなふうに見られているのかという恐怖で、内容が気になって仕方ありませんでした。ある程度調子が落ち着いてからは単に好奇心から。さりげなくのぞいてみたり、「いやいや、知らぬが仏だ」と見ないように自分を制したり。いまだに秘境です。

精神科医がカルテに書いていること


医師は、心療経過や検査結果、見立てなど、必ずカルテを書かなければなりません。ウィキペディアによると、「カルテ」はドイツ語で「カード(Karte、英語のcard)」という意味。「カルテ」と聞いて「カテーテル」を思い浮かべるのは私だけでしょうか。カテーテルは医療用に用いられる中空の柔らかい管のこと。全然違ーう。

それはさておき、カルテについて『精神科医はどのように話を聴くのか』という本の中で藤本修氏がふれています。
法的にも、医師法と同法施行規則で、「医師は診療した時遅滞なく、①診療を受けた者の住所、氏名、性別、年齢、②病名および主要症状、③治療方法(処方および処置)、④診療年月日、を診療録(カルテ)に記載しなければならない」旨が定められています。

そして気になったのが、精神科医がどんなふうにカルテを書いているかということ。藤本氏いわく、
  • ドイツ語や英語の専門用語が羅列してあるもの
  • 文章化された日本語で記載されたもの
  • 数か国語の単語が入り混じっているのも
  • 略語の多い記載
というように、書き方は千差万別とのこと。私がお世話になった先生方のカルテを思い出してみると、日本語でつらつらと長い文章を書き記していた医師が一人。それ以外は電子カルテ。日本語で作成されているようです。また、パソコン画面が見えない角度に設置されている診察室もありました。これは私のような気にし過ぎの患者の覗き見防止のためですかね?

そういえば、カウンセラーの記録はすごかったですね。私の話を聞きながら、ものすごい勢いでA4の真っ白い紙に書きつけるんです。「うん、うん」と私の目を見て傾聴しながら、手が同時に動いているときもありました。それを1時間近く続けるのですから、ものすごい集中力だな~と感心しながら話していましたね。あれも「カルテ」だったのでしょうか。それともカウンセラーのメモだったのかわかりませんけれども。

個人情報満載のカルテの保管方法は?


カルテに関するこんな記事もありました。

苗字が訂正してある古いカルテ|kyupinの日記 気が向けば更新(精神科医のブログ)


カルテの話がメインではないんですけどね。名字が変わるとカルテの保存場所も変わるのかな~とか、過去の記録を探すときに旧姓しかわからなかったら探すの大変だな~とか思いまして。

よく考えてみたら、個人情報ウンタラという時代に、病院は超個人的な情報を管理しているわけで、それってものすごく大変なことだよね? と気付いたのです。たくさんのカルテを管理している事務のスタッフさんがいて、そのカルテの数だけ主治医は診察をするわけで。お医者さんって大変だな~と。

管理方法やカルテの開示など、気になることはあるっちゃーあるんですが、それはまた後日。

早く元気になるために


以前、主治医が私の方を見て話を聞いてくれないと不満を持ったことがありました。
>>【体験談】主治医の先生がどうしても苦手です……

主治医はいつもカルテにダーッと何か書き込んでいました。当時は「む~、カルテ書いてるふりして!」なんてプリプリしたこともありましたが、「本当は私のことを理解しようとめっちゃ頑張ってくれてたのかもしれない」と考えてみたり。

カルテの書き方で、良い先生とか悪い先生とか決めることはできません。

ただ、先生はうつ病以外にもさまざまな心の病気を抱えている患者さんをたくさん診ていて、その内の一人である私の話も聞き、カルテに記録を残しながら改善のために治療法を提案してくれるんだ、と思うと感謝の気持ちが湧きあがります。別に無理に自分に言い聞かせているわけではなくて。

診察のたびに疑いの目を向けるより、主治医という人間を好意的に見た方が自分にとってプラスになるよなぁとは思います。「何書いてんだよ?!」と手の内を探るのではなくて、「気付いたことを記録してくれてる」と考えて安心する。その方が心も穏やかです。

うつ病になると、被害妄想を抱きやすく、何を見ても悲観的になりがちです。心のバランスを取るためにも私は「先生の好きなところ探し」をするように心がけています。悪いところが探すのが上手だからこそ。

これは少しでも早く元気になるための一工夫、と言えるのかもしれません。

そして、相性が悪い、信頼できないと感じるときには転院を考えることも必要ですね。



<本日の一冊>
藤本修 (2010) 『精神科医はどのように話を聴くのか』 平凡社


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