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今日は、「うつ」を消し去る方法について書かれた本をご紹介いたします。
あなたの考え方や行動は、
「習慣」によって形づくられています。
日々の習慣を変えることで、
うつ病の「原因」を消し去っていきましょう。
医者であり、うつ病経験者でもある宮島賢也氏が、臨床事例と7年間に及ぶ自身の闘病生活から見出したうつ病改善法を紹介しています。精神科医の立場、うつ病患者の立場の両方を知る著者だからこそ書ける内容。優しい文体で読みやすい本です。
ではさっそく、そんな宮島氏が提案する『「うつ」を消し去った20の習慣』、詳しく見ていきましょう。
習慣1 「相手は変えられない」ことを受け入れる
人は誰しも、相手に期待をかけてしまうものです。頭では「考え方は人それぞれ」「自分の思い通りにはならない」と理解していても、大好きであればあるほど、感情的・衝動的になってしまうこともあります。
宮島氏は、人間関係の摩擦を解消するために必要なことは、自分が変わることだと言います。
そうです、まったくその通り。でもコレ、実践するのはすごく難しいんですよね。
私の場合は、「フン、どうせ私のことなんてどうでもいいんでしょ?」という人間不信のいじけモード、そして「私のレベルについてこれないのよ、愚民どもは」という高飛車な態度で自分を変えていきました。これまで自分の中になかった考え方を取り入れてみたんですね。そうすることで、相手へのかなわない期待に苦しむことはなくなりました。
もちろん、このような態度が過剰になってはいけませんが、うまくバランスを保ちながら「相手は変えられない」ことを学んでいけたらいいですよね。
習慣2 パートナーや親子関係では「いい・悪い」の評価をはずす
これは習慣1に通じることですね。特に、家族に対しては相手のことを思うあまりにシビアな意見をぶつけてしまいがち。「あなたのためを思って言ってるのよ」なんてセリフ、よく聞きます。
相手をありのままに受け入れていないとき、相手との会話でも、はじめから「それは違うな」と相手を否定しながら聞いてしまったりします。こうした思いは、言葉に出さずとも表情に出てしまうものです。
そうなると、相手だって気分がよくありません。会話をすればするほど、雰囲気は険悪になっていくことでしょう。
相手の言葉に異を唱えたくなったときは、一呼吸おいてから。ちょっと意識するだけでも変わってくると思います。
習慣3 相手への期待を手放す
習慣1・習慣2が身につくと、相手への期待を手放すことができるようになります。
相手の気持ちは変わるかもしれませんし、変わらないかもしれません。これは相手次第なのですが、もしかしたら、あなたが変わっていく姿を見て、相手も「変わりたい」と思うかもしれません。これを宮島氏は「先に変わって魅せる」といっているそうです。これは「子どもは親の背中を見て育つ」という言葉に共通しますね。
相手が変わっても変わらなくても気にしない。そう思えるようになったとき、相手を優しい気持ちで受けとめられるようになるでしょう。
習慣4 「他人のため」でなく、まず「自分のため」を考える
あなたが「自分のため」にやりたいこと、していることは何ですか?
一流の大学に入ること?
一流企業で働くこと?
良き妻・夫であること?
良き母・父であること?
親孝行な娘・息子であること?
それは誰のため? 自分のため?
宮島氏は、私たちの考え方は親の影響を強く受けていると言います。
本人が望もうと望むまいと、潜在意識に親からの影響がすり込まれているのです。そして、そのすり込まれた考え方を「自分の考え方」と思ってしまっているのです。
「自分のため」にやりたいことを見つけるには、習慣2にあったように「いい・悪い」の評価をはずすこと。まずは、心の声に耳を傾けることから始めましょう。
習慣5 「義務」や「責任」で考えず、「うれしい」で選んでみる
仕事に義務や責任はつきものです。仕事は遊びではないので気合を入れて取り組みますよね。
そんなあなたに宮島氏は問いかけます。
いまの仕事を本心から「やりたい」と思ってやっていますか? 「生活のため」「家族のために」という気持ちから、やりたくないことも、「やらなくてはならない」と無理してがんばっていませんか?
うーん、まぁ、「やらねばならぬ!」と自分を追い込んでしまうのはよくないですが、「家族がいるから頑張れる」という側面もありますよね。
もちろん、仕事を楽しんでできれば最高ですが、実際は面倒なことやしんどいことも多々あります。そういうときこそ「楽しもう」という気持ちを忘れずにいこうよと。少しは苦しさは和らぐかもしれません。
習慣6 「口癖」を変えてみる
私の口癖は「ダメだぁ~」。
これは良くないと思い、言わないように気を付けました。が、なかなか簡単には治りませんでした。今でもポロッと出てしまうこともありますが、「ダメだぁ~」を連呼していた時に比べると、1/20くらいに減りましたね。
言葉の力は強大です。
習慣7 「自分がしたいこと」に従ってみる
「私が本当にやりたいことって何だろう?」
そんな悩みを持ったあなたに。宮島氏はこう言います。
「まずは、『自分が楽しくやれていること』に注目してみる」、そして「その楽しさを味わい尽くしてみる」
何も楽しめなくなっているときには、「何にも楽しめない私って一体……」と余計にちーんとなってしまうかもしれませんので、ちょっと元気があるときに考えてみましょう。
ちなみに私が今、賞味中のものは、小説・マンガ・雑誌を読むこと、知らないジャンルの音楽を聴くことです。
習慣8 「できていること」を書き出してみる
自分を認めてあげるために、「できていること」「長所と思うこと」を書き出してみる。
ただ、これが有効な方法だということは理解しつつも、自分のことを肯定的に捉えるのは意外と抵抗があるのではないでしょうか?
そんなときは、赤ちゃんのころを思い出してみて、と宮島氏は言います。
赤ちゃんのあなたは、ただそこにいるだけで、みんなを幸せな気持ちにしていたのですよ。そんな自分を信じ、認めてあげませんか。
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習慣9 自分にとって「居心地のいい場所」に行く
あなたの「心地いい」ことを探す3つの質問。
①あなたにとって「好きなこと」は何ですか?
②あなたにとって「嫌いなこと」は何ですか?
③どうすれば、自分に素直に生きられますか?
私は……
①好きなのは、本を読むこと、音楽を聞くこと、好きな服を着ること・作ること。
②嫌いなのは、無視、横入り、舌打ち、競争、運動。
③素直に生きるには、世捨て人になる。
自分に素直に生きるのが一番。でも、世捨て人の実現は難しそうです。
習慣10 あとまわしにできることは、あとまわしにする
幸せを感じる時間管理のポイント
①あとまわしにできることは、あとまわしにする
②ほかの人でもできることは、誰かにお願いしてみる
③自分が「できない」と思うことは、やらない
いやいやいや、それができないから困ってるんですよ、と言いたくなるのは私だけでしょうか?
私は何でも前倒しにして片付けてしまいたい性分で、誰かにお願いするのも苦手。全部自分でやりたい。「できない」と感じながらも無理矢理やる。そんなタイプの人間です。そんな私がこの3つのポイントを実践するのは簡単ではありません。
まずは、そういう自分に気付くことからですね。
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習慣11 いまの考え方や人間関係を見直す
うつ病を治すには、生き方や考え方を変えることが大事。
まったくその通りなのですが、これまで築いてきた考え方や人間関係はそう簡単に変えられるものではありません。
宮島氏が言うように、うつ病は考え方や人間関係を見直す絶好のチャンスでもあるのですが、ピンチをチャンスに変えるまでには時間も必要です。
生き方や考え方を変える作業に着手するのは、出血が止まり痛みが和らいでからにしましょう、というのが私の考えです。
習慣12 体のなかの「毒」を出し切る
循環を良くするためにもデトックスは大事ですね。
宮島氏は、アトピー性皮膚炎を例に挙げ、その原因を説明しています。
心配、不安、恐怖、怒り、恨み、悲しみ、といった感情、さらには、過度の飲食、白砂糖、肉、加工食品、乳製品、添加物を多く含む食品などを過剰にとり続けたことで体内に毒が蓄積して、その毒を出すために、皮膚に症状となって現れる
さらに、「自分はダメなんだ」「自分は無力だ」「もっと頑張らなくちゃ」という考えもストレスになるとのこと。
うつ病もこれと同じで、心身に毒が蓄積し、その毒を出すために「無気力」「食欲不振」「睡眠障害」などの症状が現れる。それらの警告を無視し続けると、ますます症状が悪化してしまう。
症状の悪化を食い止めるには、原因を取り除く必要があるんですね。
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習慣13 症状が出るときは、「がんばりすぎていないか」と問いかける
わたし:あなたは疲れていますね? 最近イライラしていますね? 悩みを抱えていますね?
あなた:あ? そうじゃなけりゃ、こんなに苦しんでないっつーの!
わたし:ちょっと頑張りすぎですよ。
あなた:んなこと、わかっとるわい! やらざるを得ないんじゃボケ!
わたし:休んだ方がいいですよ。
あなた:そういうわけにいかんのじゃ! どアホ!
……というやり取りを自分の中でできるといいですね。冷静で客観的な自分を育てましょう。
習慣14 免疫力を上げる① 体調がよくなる食習慣を見つける
宮島氏が実践した食事療法は「ナチュラル・ハイジーン」というもので、「健康のために必要な条件を体に与え、体を傷つけるようなものを体に与えないことによって、体の内外環境を清潔に保つ」方法だそうです。
「ナチュラル・ハイジーン」、初めて聞きました。私はどうも食に関しては不精なものですから、「めんどくさっ」と思ってしまったのですが……。
詳しくはまた後日。気が向いたら調べてみます。
習慣15 免疫力を上げる② 気持ちよいレベルで体を動かす
健康のためには身体を動かすのが一番です。
ただし、気力がなく、布団から出られないほどツラいときは休みましょう。一に休養、二に休養、三四がなくて、五に休養。です。
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習慣16 落ち込んだときに何を考えていたかを短く書き出す
自分の気持ちを書き出すと、少しは気持ちが軽くなるはずです。日記に書いたり、チラシの裏に殴り書きするのもいいですね。
【参考】
目指せ、うつ病改善!気軽に始められるリハビリ ― ブログを書く
ストップ苦悩!堂々巡りの思考を断ち切る方法 ― 日記療法
さらに、宮島氏は潜在意識に働きかける「アファメーション」を勧めています。「アファメーション」とは、肯定的自己暗示。肯定的な言葉を何度も唱えて、潜在意識に刷り込みをしていきます。
例えば、「私は私を信じる」「私のことが大好き」「私はとってもステキ!」などの言葉を唱えます。実践方法の具体例はコチラ。
- 鏡を使って自分の目を見ながら唱える
- 毎日、同じ言葉を紙に書き出す
- 自分で唱えたものを録音し、朝、起きたときや、夜、眠る前に聞く
- 紙に書き出し、家のなかの目につくところに貼る(トイレがおすすめ)
と、紹介しておいて何なんですが、私この「アファメーション」ダメなんですよね。気持ち悪くなるというか、吐きそうになるというか。
まぁ、一度試す価値はあるかもね、ということで。
習慣17 「人生のシナリオ」をつくってイメージする
「人生のシナリオ」は現実に即していなくても一向にかまいません。(中略)
あなたが描く「なりたい自分」が、「いつ」「どんなところで」「誰と」「どのようにしている」のかを具体的にイメージしてみましょう。
これもすごく良い習慣だとは思うのですが、夢や自分の物語を描くこと、私にはまだできません。今を生きるのに精いっぱいなものですから。
でも、イメージは強力に働きますから、普段から大事にしています。関根さん的妄想や、エロスな想像も含めて。
習慣18 過去の記憶をクリーニングする
「ホ・オポノポノ」というハワイに古くから伝わる問題解決の方法があるんだそうです。
クリーニングの方法は、自らの記憶に向けて、「どの記憶が問題を引き起こしているのか」を問いかけたあと、「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」「愛しています」の言葉をくり返す
「ホ・オポノポノ」手帳も発売されてます。初めて知りましたー。ハワイアンな感じで可愛いですね。
個人的には「ハクナ・マタタ」の方が好きですね。あ、ちょっと意味違いますかね?
習慣19 「ぼーっ」とできる時間を意識的にもつ
ぼーっとすること、これは非常に大事ですね。私も積極的に取り入れています。実際にはなかなかぼんやりできていなかったりするんですが。
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習慣20 すべてを受け入れ、抱えているものは手放す
この習慣の私なりの解釈は「あきらめること」。「あきらめ」を学んだことで私はこだわりを捨てて、自由になれました。
【参考】
すごく心がラクになった!絶望中のうつ病さんを救う「あきらめる」選択
今もまだ変なこだわりを持っていたり、どうしても受け入れられないこともあったりします。でも、まぁ、すぐには人間変われませんからね。ぼちぼち自分のペースでやっています。
「テキトーに」「いい加減に」「ゆるゆると」
そんな言葉をつぶやきながら、まろやかな人生を熟成中です。
最後に
これらの方法を習慣化するまでは大変ですが、一度身についてしまえばこっちのもの。自動的に余裕のあるラクな生き方ができるようになるはずです。
まずは、気になったものを一つ、試してみてはいかがでしょうか?
<本日の一冊>
宮島賢也 (2012)『医者の私が薬を使わず「うつ」を消し去った20の習慣』 中経出版
コメント
コメント一覧 (4)
気持ちが落ち込んでいたので気持ち的に前向きになれました。
コメントありがとうございます。そう言っていただけると励みになります。
タイトルから自分に合った本を見つけるのは難しくて迷ってしまいますよね。
MIYAさんの心と身体が少しでも軽くなるハウツーが見つかりますように。