Examining Clouds
Examining Clouds / katerha


あなたは今何を考えていますか?

毎日がつらい?
なんでうつ病になってしまったんだろうとぐるぐる考えてしまう?
「私が全部悪いんだ」と自分を責めている?
生きる意味がわからない?
何も考えられない?

そのつらさは、一言ではとても言い表せないものだと思います。

そんな苦悩を少しでも軽くするために、今日は認知療法についてご紹介いたします。

以前、認知療法の大まかな流れは簡単にまとめたのですが、今回はもう少し詳しく、全七回のシリーズとして掘り下げていきたいと思います。

【自分でできる認知療法】
第一回 認知療法とは
第二回 問題を整理し、目標を見つける
第三回 バランスの良い考え方を身につける

第四回 目標達成のための計画を立てる
第五回 生活のリズムを回復する
第六回 人間関係を改善する
第七回 心のクセに気付き、柔軟な考え方を選ぶ

▼こちらの本を参考にまとめました。

毎日ひとつずつ読みながら実践していくことで、1週間後には少し気持ちの変化が見られるかもしれません。もちろん、考え方はすぐに変わるものではありませんので、何度もくり返し練習を重ねていきましょう。

認知療法とは


気持ちは考え方に影響します。

例として、うつ病と診断されて自宅療養中の場面を想像してみましょう。


何もする気になりません。
身体は鉛のように重く、頭もぼーっとしています。

なぜこうなってしまったのか原因探しばかりして、「これまで必死に働いてきたのに、全部パーになってしまった」と落ち込みます。同時に過去のいろいろな失敗が思い浮かび、憂うつになります。身体はますます重く、動く力もなくなってしまいます。

しかし、仕事をやめる原因が実は上司の濡れ衣を着せられたためだとわかりました。すると「アイツはなんて最低な人間だ!」と怒りがこみ上げてきます。胸がカーッと熱くなります。

そのとき、急にドンドンドン!とドアを叩く音がしました。「会社の人間か?!」 全身がこわばり、恐怖に襲われます。鼓動は速くなり、身動きができません。

すると、ドアを叩く音がやみ、「私だよ~」と友人の声がしました。ホッと一安心。緊張もほぐれ、急いで玄関に向かいます。



……というように、捉え方によって気持ちは違ってきます。身体の反応や行動も考え方に影響されます。

次に示すのは、仕事の締切が迫って焦っている状況を表したものです。
131103状況・考え・反応の例

このように、考え・感情・行動・身体状態はお互いに影響し合って広がっていきます。
131103生活体験の5つの領域 改訂1
(『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳』より)

認知療法は、現実の受け止め方・ものの見方(認知)を変えることで、ストレスに対する抵抗力をつける心理療法です。

認知を修正するための第一歩は、そのときどきにパッと頭の中に浮かぶ考えやイメージ(自動思考)を見つけ出すこと。そして、新たな気付きを参考にしながら、考え方を少し変えて現実を見てみると、気持ちが少しラクになるかもしれません。

少しでも心を軽くするために


「考え方を変えればいいって、そんなことわかってるし」
「私の考え方は間違ってるんだ……。だからダメなんだ」

そんなふうに思うこともあるかもしれません。自分なりに努力しているときに「考え方を変えましょう」と諭されたら、「それができたら苦労せんわ!」と言いたくなりますよね。

でも、このまま嫌な気持ちを抱えたまま日々を過ごすより、できれば、少しでもラクになる選択をしたい。ちょっと試してみるだけでも何かしら心の変化は感じられるはずです。

「考え方を変えましょう」という提案は、決してあなたのことを否定しているわけではありません。変えるのは「あなた」ではなく「考え方」。考え方のバリエーションを増やして、壁を乗り越えるしなやかさを身につけてみませんか?

最後に


認知療法は、現実的で柔軟な考え方を身につけるためのものであって、ものごとの良し悪しを測るものではありません。客観的に事実を受け入れて、いま自分が感じている生きづらさを軽減するのに役立つ心理療法です。

最初はなかなか上手くいかないかもしれません。それでも、トライ&エラーであれこれ試していくうちに新しい可能性が見つかるはずです。建設的な問題解決法を使って、あなたが本来持ってる心の力を取り戻していきましょう。

それでは、明日からのワークに備えて、ゆっくりお休みください。

【次回予告】
第二回 問題を整理し、目標を見つける

【関連記事】
ストレスを手玉に取る方法 実践編②認知療法


<参考文献>
大野裕(2003)『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳』 創元社

唐渡雅行(2010)『 うつ病診療最前線―再発させない治療法 』 時事通信社
高橋良斉(2002)『 「うつ」と上手につきあう心理学―自分でできる認知療法入門 』 ベスト新書