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モヤモヤした心、混乱した頭、思うように動かない身体。

あなたのお悩みを少しでも軽くするためお送りしています認知療法シリーズ。前回は、バランスの良い考え方をするための訓練方法をご紹介しました。何かヒントは見つかりましたでしょうか?

【自分でできる認知療法】
第一回 認知療法とは
第二回 問題を整理し、目標を見つける
第三回 バランスの良い考え方を身につける
第四回 目標達成のための計画を立てる
第五回 生活のリズムを回復する
第六回 人間関係を改善する
第七回 心のクセに気付き、柔軟な考え方を選ぶ

第四回の今日は、問題解決能力を伸ばす練習、そして目標達成のための具体的な行動計画の立て方についてご紹介させていただきます。

ぜひ、参考にしてみてください。無理のない範囲でね。

あと、こちらのポイントもお忘れなく。
  • 一度にいくつもの問題を解決しようとしない。
  • すぐに効果を実感できなくても、何度もくり返し練習する。
  • つらくなったり、疲れたときは休む。
では、いってみよー!

本日のレッスン:目標達成のための計画を立てる


二日目のレッスンで、今あなたが気になっている悩みを書き出し目標を設定していただきました。今日は、目標を達成するための足掛かりとなる「行動」に焦点を当てて考えていきましょう。

次の5つのステップで進めていきたいと思います。

ステップ1 問題をはっきりさせる
ステップ2 解決策を書き出す
ステップ3 行動計画を立てる
ステップ4 実行する
ステップ5 評価する


一つずつ具体例を挙げながら見ていきましょう。

ステップ1 問題をはっきりさせる


前回、前々回の復習も兼ねている最初のステップです。あなたが今抱えている問題は何ですか? そして、問題解決の妨げになっているものは何ですか? 紙に書いてみましょう。

例として、第二回のレッスンでも取り上げた「仕事ができない。社会復帰できるのか」という悩みを具体的に書き出します。

131107認知療法 仕事ができない。社会復帰できるのか

ステップ2 解決策を書き出す


ステップ1で書き出した中から一番実行しやすく、問題解決につながりそうな方法を選びましょう。「~できていない」というものを選ぶと解決策を見つけやすいと思います。

そうしましたら、問題の解決策、あるいは「実行しようと思っているものの、できていないこと」を書き出していきましょう。ここでも、とりあえず思いついたことをどんどん書いてみてください。

ここでは、「緊張して電話ができない」ことを具体例として解決策を考えてみます。

131107解決策

ステップ3 行動計画を立てる


ステップ2で書き出した解決策の中で、一番行動に移しやすそうなものを選びましょう。それを元に、より具体的な計画を立てていきます。

例として、すぐに試せそうなこちらの方法を選ぶことにしました。
  • 時報(117)、天気予報(177)などで練習する。

では、こちらのワークシートを使って詳しく計画を立てていきます。
131107行動計画ステップ3

ステップ4 実行する


行動計画をもとに実行に移りましょう。レッツ・チャレンジ!

その結果、わかったことを記録しましょう。
131107行動計画ステップ4

ステップ5 評価する


試したい考えの確信度と、実験から気がついたこと・学んだことを書きます。
131107行動計画ステップ5

最後に


いかがでしたでしょうか?

もしかすると、あなたが目指す目標に比べて行動計画が物足りないと感じることもあるかもしれません。でも、車と一緒で、いきなり50キロで走り出すことはできません。最初はじわじわと進んでいきましょう。慣れてくれば、だんだんスピードが出せるようになるはずです。

今日もお疲れ様でした。頑張った自分を褒めて、フル回転した脳みそも労わってあげてくださいね。

では、また次回。さようなら~。

【次回予告】
第五回 生活のリズムを回復する


<参考文献>
大野裕(2003年)『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳』創元社

唐渡雅行(2010年)『 うつ病診療最前線―再発させない治療法 』時事通信社