昨日、11月9日(金)TBS系 「爆報!THE フライデー」にて、うつ病と闘う萩原流行夫妻の姿が放送されました。

萩原流行夫妻は自らがうつ病を患ったことをカミングアウトし、2009年に共著『Wうつ』を出版しています。

番組内では、うつ病になるまでの経過や症状など、再現VTRとインタビューを交えて伝えられました。

妻のまゆ美さんは「抑うつ神経症」と診断され、無気力で家事はもちろん、部屋を片付けることもできなくなり、本を読んでも内容が入ってこず、同じ行を何度も読んでいる状態だったとのこと。

そして夫の浮気が発覚。リストカットをして自殺を図るまで追い込まれたそうです。

萩原流行さんは、大舞台の主役に抜擢され、その極度のプレッシャーから、舞台初日、40度の高熱で声が出なくなるといった症状があらわれました。本番は気力で何とか乗り切ったものの、その後もさまざまな症状に悩まされ……。

テレビの内容が入ってこなかったり、セリフが出てこなくなったりするという状況に追い込まれます。

役者人生の危機を感じ、病院へ行くと「躁うつ病」という診断。少なくとも1年の休養が必要と医師に告げられますが、仕事を休むわけにはいかず、活動を続けました。

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番組で放送されたのは闘病生活のごく一部だと思います。彼らにとっては、1時間の番組では語りきれないような壮絶な闘いだったはず。

この番組のように事実をかいつまんで伝えられることに異論を唱えたいときもあるでしょう。芸能人として、自分の病気を告白するということは相当な覚悟が必要だったと思います。

それでも病気と正面から向き合い、語り続ける彼らの姿には勇気をもらいます。


私はこの番組を見て、萩原流行さんが躁うつ病と診断されたことを初めて知ったのですが、ひとつ疑問が残りました。

彼は、仕事をこなすために無理やりハイテンションで臨んだのか?
それとも、仕事をする前に躁状態があらわれていたのか?

番組の内容からは判断できません。

萩原夫妻は同じ病気を抱える人のためにも、という気持ちから全てを語ってくれているのだと思います。

しかし、詳細を省略した内容では誤解が生じる恐れがあります。浅い理解によって、患者を苦しめることもあるかもしれません。

もちろん、精神病のことがよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。私だって、自分がうつ病を患ったというだけで、それ以外のことは知らないことだらけです。

精神病は目に見えませんし、身体的症状と精神的症状、家庭環境や過度のストレスなどさまざまな要因が絡み合っています。それぞれの立場を考えると複雑です。

長期にわたる休養は、患者の社会活動にも影響を与え、会社にとっても損失となります。少しでも早く症状を寛解に向かわせるためにも、本人がしっかり休養できる環境を整えることが必要です。

そのためには、自分も含めて多くの人に精神疾患を知ってもらうことが大切。

まずは、自分が知ることから始めていこうと思います。