昨夜のワールドビジネスサテライトにて、「治る!最前線」と題したうつ病の最新治療についての特集がありました。

特集の内容を簡単に言うと、「この最新医療でうつ病が良くなった例がありますよ」とのこと。
121222ニュース

今回番組で取り上げられたのは2つの治療法です。

1つ目。
TМS治療」(Transcranial Magnetic Stimulation)
 =「経頭蓋磁気刺激治療(けいとうがいじきしげきちりょう)」

これは、脳の一部に電流を流して、刺激を与える治療法です。電流を流すといっても、痛くはありません。

うつ病患者は前頭葉の血流が低下しています。前頭葉に電流を流し、刺激を与えることで脳内のニューロンを活発にして、血流を良くします。


うつ病を患い治療している人の中には、抗うつ薬が効かない患者さんがいます。

このような難治性うつ病の方に「経頭蓋磁気刺激治療」は効果があるとのこと。

この療法の治療期間は、週に5回×4週間。

うつ病を患う人にとっては、ちょっと大変なスケジュールですね。

この治療法は効果があると認められていますが、日本ではまだ臨床試験を行っている段階です。

診察

そして、2つ目の療法。

光トポグラフィー検査」です。

患者の中には薬物治療を始めても効果が見られず、なかなか良くならない場合があります。その時に疑われるのが双極性障害(躁うつ病)です。

しかし、双極性障害はうつ病と同じような症状が現れることも多いので、問診だけではわからない場合があります。

双極性障害の治療には気分安定薬(ラミクタールなど)を使うのですが、間違った診断で違う薬を投与すると症状を悪化させてしまうケースがあります。

そのような場合に有効なのが、「光ポトグラフィー検査」。

この検査では、電極をつけたヘッドキャップを患者の頭に装着し、近赤外線を当てることにより、前頭葉の活動を測定します。

血流量の変化をグラフで記録できるので、視覚的にさまざまな症状を見分けるのに役立ちます。

先進医療としても認められ、2012年3月現在、全国14の病院で実施されています。




今回のうつ病特集。とても勉強になりました。ただ、ちょっとだけ物足りなかったのは最後のまとめ。

「経頭蓋磁気刺激治療も光ポトグラフィー検査もすごいですね!!」
「この最新医療で病気が良くなるといいですね」

と、軽い感じでサラッと終わってしまったので、モヤモヤしました。まぁ、それ以外に言いようがないですし、仕方ないんですけどね。

この番組内で伝えられた通り、2つの治療法は役に立つでしょう。うつ病急性期のどうしようもない辛さを軽減できるのならば、多くの人を救うことになります。

ただ、個人的にはまだ受け入れがたいというか、もっと他の方法があるんじゃないだろうかと思います。

私の感覚で言うと、脳にアプローチする2つの療法は「レーシック手術を受けるが怖い」という感覚に似ています。

今の時代、視力が悪い人はたくさんいます。でも、視力が悪いからといって、積極的にレーシック手術を受ける人はそれほど多くないと思うんです。

私の身の回りでも、多くの人がメガネやコンタクトを使っています。

目と脳を一緒に考えてはいけないかもしれませんが、「電流を流して脳を刺激しましたよ、はい、うつ病治りました~」というのは違う気がします。(もちろん実際の治療はこんな軽々しいものではないと思います)

脳にアプローチする治療法で病気が治ったとしても、元の環境に戻ったら、また同じことの繰り返しになるし、環境や本人の考え方が変わらない限り、うつ病が治ったとは言えないような気がします。

最新医療「経頭蓋磁気刺激治療」「光ポトグラフィー検査」が有効であることはわかりました。

しかし、一つの療法に頼りすぎるのは良くないですね。

薬物療法も、認知療法も、最新医療も、ひとつの選択肢として知っておくこと。バランスよく自分に合った治療法を探しながら、じっくりと向き合っていこうと思います。