前回、自分で出来るストレス対処法のひとつ、呼吸法の手順をご紹介しました。

引き続き、こちらの本を参考に、ストレス対処法を実践していきましょう。


第四弾の今回は「認知療法」の詳しい手順について見ていきたいと思います。

【ストレスシリーズ】
第一弾 「ストレス」って一体なんだろう?
第二弾 ストレスを手玉に取る方法 準備編
第三弾 ストレスを手玉に取る方法 実践編①呼吸法

認知療法とは


認知療法理論は、アメリカの精神科医アーロン・T・ベックにより提唱されました。認知療法の目的は、不快な感情を軽減させること。そのために、3つのステップをふみます。

①「認知のゆがみ」を修正する。
②「認知のパターン」の種類を増やす。
③できるだけ多くの選択肢の中から、もっとも「現実的な」選択をする。


認知療法を実践する際には、自分自身のエピソードを材料として、感情や考え方を探っていきます。その中で得られた新たな「気付き」が自分にとっての問題を解決するためのヒントになります。

認知療法は、過去や問題の原因を蒸し返すことではありません。

「なぜ、この問題が続いているのか?」
「『今、ここで』あなたがどのように感じ、何を考えているのか?」


これが大切なポイントです。

まずは自由に書いてみる


では実際に、自分が今抱えている問題を書き出してみましょう。

「非機能的自動思考記録表(「思い込み」の記録表)」
を参考に記録表を作ってみました。本文で紹介された例を参考にして、書き込んでみます。
130128「思い込み」の記録表 改2
イメージはこんな感じです。

形式や項目は、使いやすいように変えて構いません。ノートやメモ用紙に線を引いた簡単な記録表でもいいですし、こちらの記録表を保存・印刷して使っていただいてもOKです。
130128「思い込み」の記録表 回答用

自動思考=あなたの認知パターン


自動思考とは、
何かを見たり、聞いたりするとき、その内容に応じて、その人特有のパターンを持って生じる思考
(『「うつ」と上手につきあう心理学 ―自分でできる認知療法入門』 p.93 より)

認知療法をおこなうとき、自動思考は重要な分析材料になります。できるだけたくさんの自動思考を集めることで、自分自身の認知パターンを見つけやすくなります。

自動思考の見つけ方


静かに目を閉じて、不快な気分になった出来事を思い浮かべてください。

どんなイメージが浮かびましたか?

そのイメージは、あなたにとって、どんな意味がありますか?

なぜ、そのようなイメージが浮かぶのでしょうか?



ゆっくりと自分自身に問いかけます。そうして見つけた自動思考を実際に書き出してみましょう。

「認知のゆがみ」10のパターン


次に、認知のゆがみについて。自動思考を観察していくと共通点が見つかります。それが自分の「認知パターン」。この「認知パターン」が偏ってしまうと、不快な気分になったり、状況をさらに悪化させる言動につながったりしてしまいます。

まずは、ゆがんでしまった自身の認知パターンを知りましょう。より理解を深めるために、オリジナルの名前をつけるのも良いですね。

高橋氏は、認知のゆがみの代表的な10のパターンを紹介しています。

  1. 過度の一般化・・・たった一つのできごとから得られた結論を、他のすべてのものにあてはめてしまうこと。
  2. 「すべし」思考・・・「私は~しなければならない」という考え方。
  3. 二分割思考・・・「白か黒かはっきりしないと気がすまない」「100点満点以外はたとえ90点でも0点に等しい」という考え方。
  4. 自己関連づけ・・・さまざまな出来事の原因が自分にあると捉えること。
  5. 選択的抽出・・・身の回りに起こったいくつかのできごとをまんべんなく眺めるのではなく、自分にとって解釈しやすいものだけを抜き出して考えること。
  6. 破局視・・・ちょっとした失敗でも、具体的な根拠もなしに、取り返しのつかない最悪の失敗をしてしまったと感じること。
  7. 感情的論法・・・何かを評価するときに、自分の感情を根拠として結論を導き出すこと。
  8. 独断的な推論・・・根拠はあるものの、そこから導き出される結論が非常に偏ったもの、あるいは非現実的なもの。
  9. 誇張と矮小化・・・できごとやものごとのある部分だけを取り出して、極端な過大評価や過小評価をすること。
  10. ラベル貼り・・・自分に対して、否定的ラベルを貼り、それが自分のすべてであるかのように考えてしまうこと「無能力者」「落ちこぼれ」と自分に名前をつけること。

これらの認知のゆがみをヒントに、自身のパターンを探っていきます。ある考えが浮かんだときに

「あ、また自分のクセが出たのかも」


そう気付くことが気持ちを軽くする第一歩です。

新たな考え方を発見するための2つの質問


自分のクセを知ることができたら、いつもの自分の考えとは違う視点で見てみましょう。

ヒントとなる質問
1.その考えは正しいか?
2.その考え方が正しいと仮定して、そこから引き起こされる事態に対して、私はどれだけの対処ができるだろうか?
(『「うつ」と上手につきあう心理学―自分でできる認知療法入門』 p.116 より)
繰り返し、自分に問いかけてみてください。

結果を確認する


適切な選択肢の考え方や行動を実践したら、気分や自分に対する評価の変化を確認しましょう。
  • 問題が解決 → 同じ行動を続ける
  • 解決しなかった → もう一度最初に戻る

これを何度も繰り返すことが大事です。

高橋氏はこんなメッセージを示しています。
いつか必らず、晴れやかで、軽やかな気分を取り戻せる日がやってくるでしょう。
(『「うつ」と上手につきあう心理学―自分でできる認知療法入門』 p.116 より)
なんだか心強いですね。

認知療法は、無理矢理やるものではありません。気が向いたときに、自分のペースで、じっくりと取り組んでみてはいかがでしょうか。


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