毎朝目が覚めると「ジーーー」という耳鳴りと共に、自分のぼんやりと活力のない頭(脳?)に気がつきます。
朝食を終え、着替えをすませてからも「ジーーーーー」。いつまでも続きます。頭も「ぼ~~~」としたままです。
1年前、2年前に比べれば症状は随分ましになりました。でも、やっぱり気になります。
真夏のセミのごとく鳴り止まない耳鳴り。とてつもなくうるさくてウンザリしてしまいます。それに加えて、モヤがかかったようにボーっとした頭。これにも、もーーウンザリ! 頭をカパっとを開けて、脳内を大掃除したいくらいです。
どんなに怒りを覚えても、「耳鳴りゼミ」や「ぼんやり頭のボーちゃん」を追い出せない私は、心までモヤモヤさせて、不快な空気を拡散し続けます。
悪いものをすべて追い払って、リセットしたい!
シャキッと爽快!脳内スッキリ!元気に毎日過ごしたい!
何だか栄養ドリンクのキャッチコピーみたいですね。この思い、きっと私だけのものじゃないと思うんですが、いかがでしょ?
耳鳴り・ぼーっとした頭にウンザリしたら
まず、このお悩みをズバリ解決するための答えを発表させていただきます。
それは、気にしないことです。
……。
問題解決になってないって?
はい。確かに、耳鳴りを止めてぼんやりする頭をシャキッと目覚めさせる方法ではありません。
しかしですね、耳鳴りに関する本をいくつか見てみても、即効薬があるわけでも、解消法があるわけでもありません。どんなに耳鳴りについて科学的に詳しく丁寧に説明された本でも、「気にしなければ悩むこともないじゃん?」と言っています。もちろん、もっとやんわりと読者の信頼を得られるような説明付きでね。
しゃっくりが止まらないとき、どうします?
例えば、しゃっくりが出たときのことを思い出してみてください。最初は早く止めようとして、誰かに驚かしてもらったり、水を飲んだりしますよね。その他にも何かいい方法がないか探すかもしれません。
それでも、しゃっくりが止まらなかったら?
「なぜしゃっくりが止まらないんだ?!」「あぁ~、気になる!早くしゃっくりを止めなければ!」と躍起になるでしょうか?
しゃっくり頻度の高い私は「まぁ、そのうち止まるだろう」とすぐに諦めます。しばらくは気になっていても、他の作業に気持ちが向けば自分でも気づかないうちにしゃっくりは止まっているものです。
耳鳴りも、ぼんやりした頭も、しゃっくりと同じ。痛みがなければちょっと様子見。放っとこ。という対応です。
症状の解消を目指して、耳鳴りゼミやぼんやり頭のボーちゃんを追い出そう! やっつけよう! と必死になること自体がストレスになってしまいます。
お互いの共存を認めることで、ストレスはいくぶんか軽減するはずです。気持ち良く迎え入れることはできないかもしれませんが……。
【関連記事】
たった一瞬、不安や焦りを和らげる方法
気を紛らわすための7つの方法
では次に、自分の中で共存することになった耳鳴りゼミとボーちゃんの存在をどうやって忘れるか考えてみましょう。
私の経験を元に、実際に気を紛らわすことができた7つの方法をご紹介します。
①本を読む
②音楽を聞く
③映画を見る
④図書館へ行って画集を眺める
⑤公園で空を眺める
⑥ブランコに揺られる
⑦化粧をする
うつ病の症状によっては、実行するのが難しいこともあるかもしれません。そういうときは、無理せず休んでくださいね。
「ちょっとやってみようかな」と思えたことを少しお試しするつもりで実践してみてください。自分のペースで気楽にね。「つまらない」「これ以上やりたくない」と苦痛に感じたらやめればいいですし、「自分には合わない」と思えば、また別の方法を試していけばOKです。
眺めるだけでも効果アリ
まず、今すぐにできる手軽な方法が次の3つです。
①本を読む
②音楽を聞く
③映画を見る
頭がぼんやりしているときは、集中力がないかもしれません。そういうときは、本をパラパラめくったり、眺めたり。映画や音楽は再生してみて。嫌でなければ、ボーっと眺めたり感じたり。ラクな気持ちで作品に触れてみてください。
作品を楽しむ余裕が出てくると、自分と違う考え方を見つけたり、共感できる気持ちに出会えたりします。新たな発見もきっとあるでしょう。
やっぱり散歩は効果アリ
気を紛らわすには、散歩が効果的です。ただブラブラと散歩するのもいいですが、何か目的があるとよりモチベーションが上がります。「ちょっと外へ出かけてみよう」という気持ちになったときにオススメの3つがコチラ。
④図書館へ行って画集を眺める
図書館は無料で利用できますし、本が好きな方は書棚を眺めているだけでも楽しめます。画集をオススメするのは、気を紛らわすことはもちろん、美しいものを見れば心の栄養になりますし、教養も身につくからです。一石二鳥、三鳥ですね。
⑤公園で空を眺める
空を眺めることも手軽に実践できる方法です。家のバルコニーから眺めるのも気分転換になりますね。
元気があれば、散歩がてら公園に行って、ベンチに座り、空を見上げてみてください。無限に広がる青空を見ていると、自分の悩みや存在がちっぽけに感じられます。公園に限らず、電線やビルなど邪魔するものが少ない場所で空を仰いでボーっと過ごすのも意外と有意義な時間になると思います。
夜空の星を眺めるのもオススメです。ロマンチストを気取ってみたりしてね。
⑥ブランコに揺られる
私が実際にブランコに乗っていたのは誰もいない夜か朝です。ブランコに揺られてボーっとしている姿は「ドラマじゃあるまいし、ちょっと恥ずかしい」と思ったものですから。そういった障害(?)はありますが、ブランコに揺られていると何となくリラックスできて安心するような気がしました。赤ちゃんを眠らせるゆりかごと同じようなものでしょうか。(参考:嘘みたい!『不安も緊張も指先でたたくだけで消える』)
【関連記事】
うつ病治療に最も効果的!運動療法5つのプラン
気分を上げる効果アリ
最後に。
⑦化粧をする
化粧をすると気持ちが引き締まるという方は結構いらっしゃると思います。私は絵を描くのが好きなので、自分の顔をキャンバスに見立ててファンデーションやチークでお絵かきを楽しんでいました。
キレイに化粧をすることで不思議と「ちょっと出かけてみようかしら」なんて気分になることも多いんですよね。お気に入りの服に着替えて、お散歩がてらショッピングに出かければ、ちょっと楽しいステキな瞬間に出会えるかもしれません。
まとめ
ここでご紹介した7つの方法は、あくまでも私が実践してみて効果を感じたものです。とはいえ、一度お試しいただく価値はあるかと思います。
読書や音楽・映画鑑賞はうつ病療養中の過ごし方としてよく紹介されていますし、うつ病患者に散歩を勧める精神科医の先生は多くいらっしゃいます。
最初は、耳鳴りやぼんやり感がうっとうしくてなかなか実践は難しいかもしれません。それでも、できるだけ気にしないように心がけて、自分が心地良いモノ・コトを探してみると新たな出会いがあるかもしれません。
そこに辿り着くまでの過程の中で、「耳鳴りゼミ」や「ボーちゃん」の存在を短時間でも忘れられたのなら、あなたの「ウンザリ!」を解消できた、と言ってもいいのではないでしょうか。
完璧を目指す必要はなく、60%で合格。
コメント