うつ病で仕事を休職、あるいは退職された方。

特に、現在無職で自宅療養中、「いろいろな経験をして実績作る大切な時期なのに」と嘆いている20代・30代のあなたに伝えたいことがあります。

バリバリ仕事をこなす同年代の友人や、うつ病と闘いながらも生活のために働いている人たちを見て、「私はダメだ」とため息をついていませんか?

あなたはダメじゃありません。

今は病気になったから休んでいるだけ。自分を責める必要はありません。

「働いていない=ダメ」ではない


うつ病を患っていても、薬を飲みながら働いている人はたくさんいらっしゃいます。

その姿を見て、何を感じますか?

「うつ病を患いながらも仕事をしているなんて偉いなぁ」
「私には出来ていないことだなぁ」
「どんな困難があっても乗り越えなければいけないんだなぁ」

感心しながらも、どこかで自分と比べていませんか?

さらに、その考えがどんどん深みにはまると、

「うつ病だからって仕事をしていない自分はダメだ」
「働いていない自分はダメだ」
「困難を乗り越えられない自分はダメだ」

こんなふうに、自分を否定してしまうことになるかもしれません。

私がまさにそう。人と比べては「自分はダメ人間なんだ」と落ち込んでばかり。

でも、そうじゃありません。できないのは能力が劣っているからではなくて、病気で療養中だからです。

まずは主治医を信じる


うつ病を抱えながら自分に鞭打って働いている鈴木さん。しかし、あなたと鈴木さんは違います。高橋さんとも、田中さんとも、山本さんとも同じではありません。

たとえ、うつ病を患ったという点は同じでも、育ってきた環境、病気になるまでの経緯、病気の症状はそれぞれ違います。他人と比べるのはナンセンス。条件が違うものを比べることはできません。

患者の数だけ治療法があります。それを見極めるのが主治医の役目。

今あなたが受けている治療法は、あなた専用のプログラムとして主治医が示してくれたもの。うつ病治療について疑問に思うこと、不安や悩みなど気になることがあれば、先生に話してみましょう。

「どうしても他人と比べてしまう」とか「ダメな自分を受け入れられない」とか。「こんなこと話していいんだろうか?」と思うことでも。それらの気持ちに心の状態を改善するヒントが隠れているかもしれません。

それに、先生に話を聞いてもらうことで気持ちが少しラクになったり、何か解決法が見つかったりすることもあります。

もし、話を聞いてくれない、5分診療・流れ作業で薬を出すだけ、ということが重なって不満を感じたのならば、セカンドオピニオンや転院する選択もあります。

ただし、抗うつ剤の効果が現れるのには時間がかかりますし、短期間で自分に合った先生かどうかを見極めることは難しいので、じっくり考えてみる必要はあります。

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苦しくても助けを借りないのは偉いこと?


それでもやっぱり「働いていない私はダメだ」と考えてしまう……。

なぜ、それほどまでに後ろめたい気持ちを感じてしまうのでしょうか?

確かに、仕事をしなければ生きていけないという厳しい環境におかれ、うつ病に苦しみながらも働き続ける人のことを思うと、胸が痛くなります。

その人と働いていない自分とを比べて、「自分と同じようにうつ病の苦しさを味わっているのに……」と思ってしまうのは仕方がないことかもしれません。

でも、あなたが思い浮かべる「うつ病に苦しみながらも働き続ける偉い人」は、もしかしたら、症状が軽いのかもしれません。だから、働ける。

それに、「主治医に休養を勧められているけれど、仕事をしなければ生活できないから働く」という場合、無理をして働く以外にも選択肢があります。

手続きをすれば、休職できますし、傷病手当金も給付されます。精神障害者保健福祉手帳や自立支援医療という制度もあります。家族や親戚に頼ることも一つの手段です。

それでも、経済面で立ち行かなくなった場合、生活保護や自己破産という選択もあります。これらは敬遠されがちではありますが、苦しみから抜け出すための方法の一つです。


とは言っても、やはり生活保護や自己破産については誰だって抵抗を感じますし、できることなら避けて通りたい道です。

また、障害者手帳を持つという選択肢もなかなか受け入れがたいものです。精神病に対する偏見があることも事実。

さらに、うつ病になるきっかけが家族・親戚との不和だった場合。誰にも頼ることができず、「自分の力で何とかしなければ!」と、より一層強迫的になり、自分を追い込んでしまうこともあるかもしれません。

そんなうつ病と闘いながら働く人のための専門の相談窓口があります。

厚生労働省 こころの耳 「専門相談機関」


苦しい環境の中でうつ病と闘っている方に出会うたび、自分がいかに恵まれた環境で治療に専念できたか思い知らされます。

私にできるのは、少しでも早く薬が効き、うつ病の症状が和らぐことを願うことぐらいです。そして、真面目で勤勉、責任感を持った生き方には尊敬の念を持って、心から応援したいと思っています。


ただ、どうしても気になるのはやはり悲鳴を上げている心と身体。

何とかして、うつ病の治療に専念することはできないでしょうか?

「どうしても解決策がないから」と無理に仕事を続けたとしても、うつをこじらせ何もできなくなってしまったら元も子もありません。救いを求めることさえできなくなってしまったら? とても心配です。

うつ病を患った人には治療が必要。たとえどんな状況に置かれていたとしても、まずは病気を治すことが第一です。

そのために、誰かに助けを求めることは何より大切なことだと私は思います。

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不安になるのは他人と比べているから


ここまで読んでいただいて、何か気持ちの変化はありましたか?

働いていない自分を卑下する必要もなく、他人と比較する必要もない。

とは言っても、隣の芝は青く見えるし、ないものねだりしてしまうのが人間のさが。

「私はこのままでいいのだろうか」と不安になるのもまた然り。かく言う私も不安だらけの人間です。

けれど、不安は悪ではありません。不安に思ってOK。

だって、「人間だもの」。

「どうしよ、どうしよ!」と慌てふためいたり、ガクーンと落ち込んだりしても気にしない。他人を否定する権利なんて誰にもないのですから。

不安なことがたくさんあっても、あなたはダメじゃありません。


もう一回言います。


あなたは全然ダメじゃありません。





それでも、不安で仕方なかったら……。


また、このブログに遊びに来てください。

まだまだ未熟者の私ですが、あなたの不安や悩みをスッキリ解決できるようなブログを目指し、私なりに努力しながら(ときにはゴロゴロしながら)、お待ちしていますね。



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