躍動的な猫たち

今日は「焦らない生き方」について考えてみたいと思います。

今、このブログを見てくださっているあなた。

うつ病で今は自宅療養中だけど、どん底のどうしようもない状態からは脱したんだから「早く仕事を始めなくちゃ!」と焦っていませんか?

うつ病がきっかけで仕事を辞めることになって、現在無職。「この状態を何とかしなければ!」と焦っていませんか?

これまで必死に勉強し、働いて、将来のために努力してきたのに、うつ病のせいですべて水の泡……。「早く社会復帰し再起しなければ!」と焦っていませんか?


今あなたの置かれている状況がどのようなものだったとしても、焦っているのなら、ちょっとコチラの記事を見ていってくださいな。お時間は取らせませんので。

さささ、コチラへ。玉座がご用意できております~。



では、参りましょう。

今、焦りの気持ちを強く感じているあなたと、お話したい気分なんです、私。

私自身も、本当にこれでもか!ってくらい焦りまくっていたから、すご~くよくわかるんです。あなたその焦る気持ちが。

私のこと、少しお話させてください。

私は社会人2年目の夏にうつ病と診断されました。
働き始めてからは、毎日仕事に追われ、休日もなく、サービス残業ばかり。それでも、仕事を辞めようと思ったことはありませんでした。

ある日、大学時代の友人と話す機会があり、こんなことを聞きました。「A君、卒業してから仕事しないで家にいるらしーよ。ニートだって」

A君は友人が親しくしていた子で、私とは顔見知り程度の関係でした。大学時代、彼は勉強はサボリ気味だったようですが、バンドを組んで頑張っていたし、明るく積極的に活動している印象だったので、意外だなぁと少し驚きました。

A君のことをあまり知らなかったし、当時の私は「働かずに親のすねかじって遊んでいるなんてありえない!」という思いが強かったので、A君のことを軽蔑しました。

学校を卒業したら仕事をするのが当たり前。理由もなく働かないなんて、そんな人の考えはまったく理解できませんでした。ニートという存在に対しても「何考えてんだろ?」「ダメな人間だ」と、かなり辛辣な意見を持っていました。

で、私うつ病になりました。

病院でうつ病と診断され、休職。その2か月後には退職。

はい、24歳女性(無職)の出来あがり~。


いくら病気だからとは言え、これまで忌み嫌ってきたニートと同じ、「仕事をしていない・親のすねかじり・遊んでいる」状態に陥ってしまったのです。A君のことを軽蔑していたけれど、私自身も軽蔑すべき人間になってしまった……。当時の私は、「自分の人生は終わった」と絶望しました。

急性期は、絶望の中で一日中布団をかぶってウンウンうなっていることしかできなかったので、焦りを感じる余裕もありませんでした。

が、そのどん底の状態を脱し、少し回復した頃から今度は新たな問題が生じました。

「焦り地獄」が始まったのです。

焦り地獄とは……
  • 早く仕事を始めなければ!という焦りが頭から離れない。
  • 今のこの状態を何とかしなければ!という焦りから逃れられない。
  • 早く社会復帰し、再起しなければ!という焦りばかりが先行する。
という状態です。「焦り地獄」に陥ると、四六時中「このままではいけない!」と焦り続け、とりわけ仕事に対して非常に神経が過敏になり、冷静に考えられなくなってしまうのです。恐ろしや~。

あなたも「焦り地獄」に足を踏み入れてはいませんか? 

寝ても覚めても「仕事をしなければ!」という焦燥感にさいなまれているのならば。あなたはれっきとした「焦り地獄」の住人です。

そんなあなたを救うには、一体どうしたらいいのでしょうか?

私自身、うつ病と付き合っていく中で、良くなったり悪くなったりを繰り返し、さまざまな失敗も経験してきました。そして今では、それなりに回復し、以前よりは客観的に考えられるようになりました。

私はどのようにして「焦り地獄」から抜け出したのか?

最初のきっかけは、私が自宅療養を始めてから1年経った頃、焦りに焦った結果始めたアルバイト。知り合いが経営しているコンビニで働かせてもらうことになりました。病気だということは伏せて。

少しずつシフトを増やしてもらって慣れていこうと考えていたのですが、実際に仕事をしてみると、全然苦ではなく、むしろ楽しいくらい。心配だった体力面も問題なさそうでした。

「私ちゃんと仕事できるんだ」ということがわかって、すごく嬉しかったことを覚えています。そんな私の気持ちに加えて、人手が足りなかったことも手伝い、1週間後には週5のペースで働いていました。

変化は突然訪れました。

働き始めて1カ月経った頃、接客をしていて、急につらい気持ちに襲われたのです。「これはマズイ!」と思い、店長に調子が悪い旨伝えようと事務所に入った途端、せきを切ったように感情が爆発してしまいました。自分でも何が何だかわからなくて、号泣しながら「仕事できません」とただ謝るばかり。

その日をきっかけに、体調は急降下し、仕事ができる状態ではなくなりました。店長には事情を伝え、再び休養することになりました。

急激に走りすぎて体調を崩したことは言うまでもありません。もっと慎重にならなければいけなかったと深く反省しました。私は、そのとき初めて「焦ってはいけない」ということを身をもって理解したのです。

私にとっては、この失敗が「焦り地獄」から抜け出すきっかけになったわけですが、それでも、焦る気持ちを解消することはできませんでした。その後も、焦っては転び、また焦っては転び……と、懲りずに同じことを繰り返しました。

失敗を重ねるたびに現実を突き付けられ、私はやっと気付き始めました。今の自分の状態をちゃんと把握して、病気と向き合わなければいけない、ということを。


こうして私はたくさんの失敗を繰り返しては、絶望し、自己嫌悪に陥って苦しみました。でも、あなたには私と同じ苦しみを味わってほしくありません。焦って社会復帰すると、うつ病再燃の可能性が高くなるということを身をもって体験しているからこそ、「焦っちゃダメだよ」とあなたに伝えたいんです。

仕事をしたい気持ちはよくわかりますし、社会復帰に向けて前向きに進んでいくことは大切です。しかし、そのことで体調を崩してしまっては、元も子もありません。

だからと言って、「焦っちゃダメだよ」「焦っても何もいいことはないよ」と声をかけたとしても、それは、焦っているあなた自身が一番わかっていること。そんな風になだめられても、「それが出来たら苦労せんわ!」と言いたくなりますよね。

そう考えると、今私にできるのはあなたの気持ちに共感することぐらいです。

私の経験や失敗を知ることで、あなたと共通する気持ちを見つけていただけたら嬉しいです。「焦りは禁物」ですが、あなたの今の気持ちを否定するつもりはありません。あなたが感じ、考えていることは、決して間違いじゃないから。

つらいと思いますが、私の失敗談でも聞いて、気を紛らわしてはいかがでしょう?

私のうつ体験については、これからこのブログに綴っていく予定です。

もし良かったら、また遊びに来てくださいね。


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