今日はこちらの本をご紹介します。
この本は、心と身体の悩みを持った女性に向けて書かれたものです。横断的な治療を行う「女性外来」として、11人の女性医師それぞれの専門知識を活かしたさまざまな知見から、イライラ・落ち込みの対処法について知ることができます。
中でも気になったのが、不快な気分に対するユニークな解決法。
それは、嫌な気分から早く抜け出すために、あるツールを用意しておきましょう、というものです。
そのツール、一体どんなものだと思いますか?
ハイ。正解は「私の取扱説明書」です。
一時、血液型別の取扱説明書の本が話題になりましたよね。
そのタイプ分けをさらに細かくして、自分だけの取扱説明書を作ってしまおうというのです。ちょっと面白そうじゃありませんか?
電化製品などの取扱説明書には、巻末に「故障かな?と思ったら」というページがありますよね。それと同じように、自分自身のヘルプページをあらかじめ作成して用意しておくんです。
では、例として紹介されていたものを見てみましょう。
この本はうつ病の人向けではなく、イライラや落ち込みに悩むすべての女性に向けて書かれたものなので、このような、いかにも女性らしい対処法が例として挙げられています。
これをうつ病の自分用にアレンジしてみました。
私の対処法は、こんな感じです。
普段悩まされることが多かった6つの不快な感情・考えを選びました。
- ゆううつ感(気分の落ち込み、気分が重い、気分が沈む、元気がない、虚無感)
- 不安感・焦燥感(イライラ、落ち着かない)
- おっくう感(何もやりたくない、根気が続かない、無気力、疲労感、倦怠感)
- 意欲・興味・関心の減退喪失(楽しめない、好きなことでもやりたくない、何も興味が持てない)
- 無性に泣けてくる(自信喪失、劣等感、自責感、無価値感)
- 死について考える(希死念慮、自殺企図)
うつ病の精神的症状は人それぞれなので、自分が不快だと思う気持ちや思考を選んで、あなただけのオリジナル取扱説明書を作成してみてはいかがでしょうか?
▼回答用のシートも作ってみました(保存・印刷してお使いください)。
自分の心をコントロールできなくなってしまうと、冷静に考えることが難しくなります。
そんなときのために、この取扱説明書を用意しておけば、絶望感を味わう前に、気持ちを切り替えることができるのではないでしょうか。
とは言え、うつ病の不安定な心の取り扱いは、家電のように簡単にはいきません。私自身、気持ちを切り替えるためにいろいろなことを試しましたが、不快な気分やネガティブな考えがキレイさっぱり消えたことはありませんでした。ダメなときは何をやってもダメなんですよね。
だからといって、気分に流されるままでは何も変わらず、苦しみは続きます。たとえ効果は少なかったとしても、何もしないよりはいいんじゃないかなぁと私は思います。嫌な気分が少しでも和らいだら御の字、くらいに思ってね。
調子が良いとき、試しに「私の取扱説明書」について考えてみてはいかがでしょうか。最初はなかなか効果のある答えが思いつかないかもしれません。それでも、いろいろとアイディアを出し続け、試行錯誤を繰り返せばきっとあなたに合った解決法が見つかるはずです。
「私の取扱説明書」が、あなた自身を大切にするための手引きとなれば嬉しいです。
<本日の一冊>
対馬ルリ子総監修 (2009年)『みんなの女性外来 イライラ・落ち込みが激しいときの本』 小学館
<参考サイト>
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