東京タワー「ダイヤモンドヴェール(ドリーム・ピンク)」
東京タワー「ダイヤモンドヴェール(ドリーム・ピンク)」 / hazuijunpei



「通電療法」という治療法をご存知ですか? 

「電気けいれん療法」や「電気ショック療法」とも呼ばれているそうです。

こういった類の療法に対して、ネガティブなイメージは多少なりともあります。どんなことでも知らないことは不安です。が、通電療法には効果があるとのこと。頭ごなしに決めつけてしまうのはもったいないようです。

通電療法とは?


通電療法は、
  • 電気けいれん療法
  • ECT (electroconvulsive therapy)」
  • 電撃療法 (electroshock theraphy: EST)」
  • 電気ショック療法 (ES)」
などと呼ばれるものです。

これらの療法を平たく言うならば、頭に電極をつけて電流を流し、けいれんを起こす治療法と言ったところでしょうか。

2013年1月5日のNHKスペシャルでは「修正型電気けいれん療法」という療法が紹介されていました。

修正型電気けいれん療法は
  • 無けいれん電気けいれん療法
  • m-ECT(modified electroconvulsive therapy)」
とも呼ばれます。

修正型電気けいれん療法では、麻酔医がついて麻酔をかけ、筋弛緩薬を注射して行うので、けいれんが起きません。

通電療法のネガティブイメージ


「電気ショック」と聞いて、あなたは何を連想しますか?

生身の人間に「ビビビビビー!」と電気を流す。

私はこんなイメージが先行して、通電療法に抵抗を感じてしまいます。

三野善央氏の『日本一役に立つうつとストレスの本』の中でも、電気ショックと聞くと、怖いというイメージを抱いたり、中には人権侵害だと考えたりする人もいると書かれています。

よく例として取り上げられるのが「カッコーの巣の上で」という映画。問題は、精神病院内の規律を乱したとして電気ショック療法を課す場面です。電気ショックを治療としてではなく、罰として行っていたんですね。このような過去の悪いイメージのために通電療法を拒む患者さんも少なくないそうです。

それでもやっぱり脳に電気を流すということ自体が気持ちの良いものではないな~というのが個人的な印象です。過去の残酷なイメージ云々に関係なく。

ただ、子どものころに、電流を使った治療を受けたことがあります。足を痛めて接骨院へ通っていたときのことです。治療は微弱電流よるもので、少しピリピリする感じはありましたが、痛みはほとんど感じませんでした。

そのときのことを思えば、通電療法もそんなに怖いものでもないのかなぁという気はします。

とは言っても、頭に電流……やっぱり怖い。どうしても、足に電流を流すのと同等には思えません。ビビりすぎ?

うつ病にも効く通電療法


こういったネガティブイメージを踏まえた上で、三野氏は通電療法の意義を認めています。通電療法には効果があり、以下の2つの場合は通電療法をオススメしたいと。

①明らかに自殺の可能性が大きい場合
②薬物療法やその他の治療を行ったのにもかかわらず、うつ病が治らず、苦しい状態が続いている場合


特に①のように緊急の場合は、症状を早く改善する通電療法が有効とのこと。

通電療法を行うにあたっては、この治療を勧める理由をご本人やご家族に説明し、同意を得てから行われます。また、通電療法が過去のものとは違い、安全で苦痛のない状態で行われることも伝えられます。

このように、通電療法を前向きに捉えオススメする先生もいらっしゃいますが、中には通電療法を一切勧めない先生もいらっしゃるようです。

どちらにしても、通電治療を安易に考えてはいけないということですね。

通電療法 ― うつ病治療のひとつの選択肢として


私が通電療法を知ったのは3年ほど前のこと。うつ病の症状になかなか変化が見られず苦しんでいるときでした。「もはや、なす術なし」 私は絶望の中にいました。

そんなときに通電療法の存在を知りました。私は少しだけ希望を感じました。

「最悪、電気流せばいいや」
「電気ショックで良くなれば言うことないし、副作用でうまいこと記憶が飛べば、過去のことで悩まずに済むし、いいんじゃない?」
「もう私どうなってもいいし」

当時の私は半ば投げやりでヤケクソになっており、ちょっと乱暴な考えではありますが、これが素直な気持ちでした。

実際は、誰でもかれでも通電療法を受けられるわけではありませんし、副作用としてさまざまな例が報告されています。それに、どうなってもいいわけありません。そんな風に考えてはいけません。いけませんよ!

というわけで、私のこの態度はオススメできませんが、選択肢が増えて心強く思えるのであれば、それは良いことなんじゃないかなと思います。

一人でも多くのうつ病さんを救うため、安心・安全で確実な治療法が見つかることを願うばかりです。

ここは研究者の大先生方に頑張っていただきましょう。どうかよろしくお願い致します。


<参考文献>
三野善央 (2010) 『日本一役に立つうつとストレスの本』 メディカ出版


<本日の映画作品>
カッコーの巣の上で (1975年) 監督:ミロス・フォアマン 出演:ジャック・ニコルソン