今日は、『とっておきの気分転換』という本の中で紹介されている50の方法に、うつうつ思考な人としてのコメントを加えてお送りします。


まず、本の帯にこんな言葉が。
「元気がなくなったとき、悲しくなったり、落ち込んだりしたときに、そっと開いてみてください」
「あなたの気持ちがピカピカに生まれ変わる」
「50の小さな幸せ」
 
「ピカピカに生まれ変わる」「幸せ」という言葉。少し嫌な予感がしますが……。

パラパラとめくると、ツイッターでおさまりそうな文章とイラストで、パーっと軽く読めるカジュアルな構成になっています。

もくじには、見開き1ページに50の気分転換がズラリと並んでいます。一通り目を通してみると、どれも具体的な気分転換の方法。この中に一つ二つは参考になるヒントがありそうです。

では、ひとつずつ検証していきましょう。まぁ、検証と言っても、私が勝手に独断と偏見で感想を述べるだけです。もしよろしければ、お付き合いくださいませ。

その1 箇条書き日記を書きはじめてみる


日記については前にも触れました。
>>ストップ!苦悩!堂々巡りの思考を断ち切る方法

箇条書きというのがポイントですね。ぼんやりした頭でも、一言二言ならできそうです。


その2 みんなで餃子パーティをする


まず、パーティはキツいです。だって人との付き合いが面倒ですもの。せいぜい、本当に心を許した友人2、3人が限度ですね。そして、私は料理があまり好きではないので……。

気分転換としては健全で効果的な方法だと思います。


その3 お日さま色の花を生ける


植物を愛でるのは、癒し効果がありますね。美しい花は荒んだ心に栄養を与えてくれます。

ただ、抑うつ状態では「あぁ~キレイだな」と思う余裕はありませんでした。さらに、「花は散るのみぞ」的な悲観しかできませんでしたね、私は。


その4 洋服ダンスの中を整理してみる


ファッションに関してアレコレ考えるのは好きなのですが、病気になって、服装に執着しなくなりました。いつも同じ服。しかもヨレヨレ。整理するのが面倒。

でも、この方法の効果を実感したこともあります。テレビで「こんまり先生」がやっていた収納法をちょっと気分が良いときにやってみたら、気分がかなりスッキリしました。もちろん部屋もスッキリ。これはオススメです。


その5 クレヨンで絵を描いてみる


絵を描くのもいいですね。昔から好きです。色鉛筆、コンテ、水彩、墨汁などを使って、思うまま自由に書き散らしていました。

まだ症状が重かった頃は、いかにも病的でグロテスクな絵ばかり描いていましたが、何らかの形で感情を放出することは良いことだと思います。


その6 近所の猫に話しかけてみる


猫好きにはコレほんといいですね。最近は野良猫も少ないですし、うちは猫を飼えないので、猫を飼ってる知人の家に遊びに行ったり、猫カフェに行ったりしたこともありました。猫欲求が強すぎてね。そのお店は抱っこNGの猫カフェだったので、ちょっと消化不良でしたが。


その7 自分のへやのカーテンをつくる


作ったり丈直しをしたりすることもありましたけど、カーテンは広い場所じゃないとやりにくいですし、タック作るのもけっこう面倒くさいので、好きな人じゃないときついかもしれませんね。余計ストレス溜まるカモ……。


その8 小学校の校庭に行ってみる


最近の小学校って、解放してるところあるんでしょうか? 散歩がてら、母校へ行って楽しい思い出に浸るのは良いかも。


その9 コミックをつづけてたくさん読む


はい、これは療養中の定番ではないでしょうか。

とは言え、いくら読書好きでも、うつ症状がひどいときは文章が頭の中に入ってきません。マンガでさえ読むのにひと苦労。どん底を乗り越えて落ち着いてくれば、マンガの世界に逃避できるようになるんですけどね。

マンガ喫茶に行ってもいいし、図書館でもマンガ借りれるみたいですね。


その10 ホテルで朝ごはんを食べてみる


そんなリッチじゃありません。そんなエネルギーありません。気疲れして、逆にストレスが溜まりそうです。

え?キレてませんよ。


その11 前髪を自分で切ってみる


髪のお手入れまで気がまわりませんでした。お風呂に入ることもできなかったときは、ありえないくらい髪の毛バッサバサ。でも、カット代節約のため、セルフカットはしてました。てか、今もです。


その12 日曜日の午後にホットケーキを焼く


一時、料理にハマったときがあって何度か作りましたが、そのブームはすぐに終了しました。やはり私は料理があまり好きではないらしい。


その13 10分間、目をとじてみる


目に映るものがうっとおうしいし、現実に向き合えなくて目を閉じずにはいられません。瞑想はリラックス効果が高いといいますが。


その14 写真集を買ってみる


写真を眺めるのは、しんどいときにも簡単にできますし、気を紛らわせるのに最適です。写真集を買う余裕がない私は、卒業アルバムや昔の写真を何度も眺めていました。
>>誰でもできる!長くて苦痛な療養期間のやり過ごし方


その15 欲しいものの写真を手帳にはってみる


ペタペタぺタ。コレですね、私の場合。
>>うつ病自宅療養中にオススメの暇つぶし


その16 自分の育てたバジリコでパスタをつくる


自家栽培……、料理…、めんどい……。


その17 プールに行ってゆっくり泳いでみる


まずプールに行くのが面倒臭い。泳ぐ元気もない。

うつ病と診断される直前、気分転換せねば!と無理して泳ぎに行った時期はありました。確かに気分はスッキリしますが、それ以来一回も行っていません。


その18 カメラを持って近所を散歩してみる


はい、これも定番。
>>陰鬱で暗澹たる状況からの脱出~ちょっと元気になる方法~


その19 一晩中、あそんでみる


そんな元気はありまへん。遊ぶ金もありまへん。せいぜい夜の公園でブランコに乗るのが関の山。


その20 会社や学校をズル休みしてみる


ズル休めないから、うつ病になってしまったのでは?


その21 肌ざわりのいいパジャマを探してみる


療養中は特に寝る時間の方が長くなりますからね。ユニクロのスエット(黒)から、ツモリチサトのルームウエアに変えたら、確かに気分は上がりました。

その22 部屋の明かりをやわらかいものにかえる


蛍光灯の光は明るいですが、殺伐とした雰囲気になってしまうような気もします。あたたかみのある光、間接照明などの明かりは心がホッとできます。

問題はやはり、明かりを交換する作業がおっくうだということ……うーむ。


その23 銭湯に行ってみる


近所の銭湯や健康ランド、何度か行きました。足をのばせる広い浴場はリラックスできますし、気持ち良い。

問題は……はい、そうです。


その24 眠る前に香水をひとふき


香りの効果は抜群です。
>>簡単!ワンステップで気分を穏やかに ― アロマキャンドルでリラックス


その25 こどもの頃にすきだった絵本を読む


昔から絵本は好きなのですが、落ち込みがひどいときには、どの作品もまったく読む気になれませんでした。おそらくメッセージ性が強い作品を読んだために受け付けなかったんだと思います。

そういえば、最近もあまり読んでないですね。


その26 くだらないことばかり言う人を無視してみる


というか、誰とも会いたくないって感じです。


その27 コメディ映画をつづけて見る


しんどいときには、笑うことさえできないんですよね。もうまったく笑えない。

お笑いは好きですが、絶不調だったときはバラエティ番組が非常にわずらわしく感じました。

ちょっと回復した頃から、「Mr.ビーン」や「ブルース・ブラザーズ」にはお世話になりました。あと、鳥居みゆきさんのDVDも繰り返し見てました。


その28 だいすきな人に気持ちを伝えてみる


うつ病のときの感情は過剰になりがちで、相手にとっては重いと思われていたかもという気がします。これはちょっと難しい面もあります。


その29 部屋の窓をピカピカにみがいてみる


それができればいいんですけどね。キレイな部屋で過ごせば、気分がいいですし。

部屋は心の状態をあらわす、なんて言われることもありますよね……。


その30 大声で叫んでみる


そんな元気はありません。

あ、カラオケ? ストレス発散になりそうですね。でも、私は音痴なので、あまりカラオケは……。


その31 あたらしい器を買う


美しい食器、お気に入りのマグカップなど、身の回りを華やかに飾ると嬉しくなります。

ただ、食欲がなかったり、気持ちに余裕がないと、「器なんてどーでもいい」です。


その32 1週間だけのダイエット


病気になって、10キロ痩せたのでダイエットは必要なし。それまでは、何やっても痩せなかったのにね。

苦痛を伴うダイエットは、病気が落ち着いてからでいいんじゃないかな、と思います。


その33 オリジナルの便せんで手紙を書く


書くことが好きな人にはオススメですね。私もよく手紙書きました。

相手にとって重くなりすぎないように配慮する必要はあるかもしれません。


その34 いいなぁと思っている人を食事にさそってみる


人付き合いがおっくうになりますから。

でも、気心知れた親しい友人とはご飯行ったりしてました。

最近はめっきり……。きっと、私に気を遣ってくれているのでしょう……。


その35 1時間半で行けるところへ日帰り旅行をしてみる


旅行に行く元気はありませんよ。

今の環境がストレスだらけで、ひとりになりたいとか、気持ちも落ち着いていて、体力的に問題がなければ、良い気分転換になるかもしれません。疲れない程度にね。

その36 買い物バッグでスーパーに行く


「買い物バッグを手作りしよう」という提案。モノ作りが好きな人には良い。ミシンがけが好きな私はいろいろ作りました。


その37 ひとり暮らしをはじめる


これは……。まずお金がないと。私もひとり暮らししていた時期がありますが、金銭面の悩みは尽きませんでした。

家族と距離を取ることで、こじれた関係を修復できるケースもあるそうですが、気分転換の方法としては、ちょっと乱暴な気が……。


その38 美術館に行ってみる


美しいものを見ると心が癒されます。あまりにも芸術性が高すぎると、難しくてモヤモヤしてしまうかもしれませんが……。


その39 あたらしい色の口紅に挑戦


化粧は気分を変えるのに適した方法ですね。

しかし、化粧をすることさえおっくうに感じてしまうという本音もあり……。

あと、私は無意識のうちに口紅やグロスを食べてしまうので、あまり使いません。どうやったら、ぷるぷるリップを保てるのか謎です。

その40 キャンプに行ってシュラフで寝る


シュラフって、寝袋のことですかー。今初めて知りました。キャンプねぇ。エネルギッシュじゃないとねぇ。うつ病さんにはねぇ。


その41 季節ごとに果実酒をつくってみる


アルコールはダメ! お酒好きにはつらいですけどね。我慢我慢。



その42 かんばってる同年代の人と会う


頑張っている人を見るたびに、落ち込むんですけど。


その43 クリームたっぷりのお菓子を買いに行く


これは!そうそう!女性は甘いもの好きな人多いですからね。私も生クリームが大好きなので、ホイップたっぷりのスイーツ食べて幸せを感じてました。シュークリームやプリンやエクレア……。

また、希死念慮が強く、「死にたい」としか思えなかったとき、「シュークリームを食べてから考えようよ」と自分に言い聞かせたものです。

でもやっぱり、大好きな生クリームさえ受け付けない時期もありました。


その44 自転車に乗ってみる


高校生のときは毎日乗ってましたけど、車乗り始めるともう自転車乗れませんねー。病気になってから気分転換にと自転車で出かけたことはありましたが、そんなにスカッとはしませんでした。それ以来一度も乗ってません。

運動にもなるし良いことだとは思います。安全第一で。


その45 とびきりおいしい紅茶をいれてみる


紅茶の味もわからないときは別として。こんな風にちょっとした時間を味わうことが幸せだったりするんですよね。

ハーブティー(カモミール・ラベンダー)は心を落ち着かせる効果があるそうです。


その46 フリーマーケットに参加する


作った服や小物を売りたいな~と考えていたこともありました。でも、売る側は準備やら手続きやら面倒な部分もあって、なかなかね。


その47 お弁当をもって公園へ


弁当を作るのが……え?もういいって?そうですよ、めんどいんですよ。

公園にはちょくちょく行きました。ブランコに乗るブームがありまして。あと、私嫌煙家だったのですが、気分転換の一環として、公園のベンチで一服していた時期もありました。

頭の中がぐちゃぐちゃになったとき、空を眺めてぼ~っと過ごしました。ささくれ立った心が穏やかになります。

その48 おシャレな美容院で髪の毛を切ってみる


美容院でキレイにしてもらうと、かなり気分が上がりますよね。

でも、美容師さんに仕事のことや近況について聞かれるのが嫌で2年近く行ってません。おかげで現在ロングロングなヘアーです。


その49 スポーツ観戦にでかける


これもやはり、興味を持てなくなってしまうんですよね。一度、野球の観戦チケットをもらって出かけたことがありましたが、周りのテンションと自分のテンションが違い過ぎて、落ち込みました。


その50 仕事を辞めてみる


コレ、ちょっと無責任すぎやしません? 辞めるのは簡単、復帰するのは超難関。うつ病の際は、転職や退職などの重要な決断を避けるべき、と多くの先生が言っています。

病気でもないのに、「仕事辞めちゃお」って人はうつ病にならないでしょうね。……うーん、でも一概には言えないんですかね?


おまけ 感謝してみる


家族には本当に感謝しっぱなしです。

でも、頭ではわかっていても、感謝できない自分はダメだと責めてしまうこともありました。

「感謝」は、心に余裕があるときにしときましょ。
>>うつ病で苦しんでいる人にキレイごとやありきたりなことを言いたくはないけれど、それでもやっぱり大事だと思う言葉


さいごに


はいー、以上。50+おまけ、終了です。長かった……。最後までお読みいただきありがとうございます。

この本は、「自分らしく人生を楽しんでいる私、素敵!」という生活を目指す女性のための指南書といった印象が強いです。参考になるパートもいくつかありましたが、私にはちょっと……。

まぁ、具体的なモノ・コトが挙げられているので、著者と好みが合う方には、充実した内容でご満足いただけそうです。


<本日の一冊>
廣瀬裕子著 杉浦さやか絵(1997)『とっておきの気分転換』 KKベストセラーズ