あなたは最近眠れてますか?

満足できる睡眠がとれていないあなたへ。今日のテーマは「睡眠障害」。

「うつ病関連物質セロトニンを制御する外側手綱核は睡眠調節も担う」

こちらは、独立行政法人理化学研究所の発表です。

脳に関する生物学的なお話なので、ちょっと退屈かもしれません(私が)。こういった分野は苦手なんですが、自分なりにわかりやすくまとめてみようと思います。


睡眠とは


まず、睡眠について。

「レム睡眠」「ノンレム睡眠」という言葉は聞いたことがあります。

急速な眼球運動(Rapid Eye Movement)を伴うのが「レム睡眠」、それ以外が「ノンレム睡眠」です。

人は眠っている間に、

[ノンレム睡眠 ⇒ レム睡眠 ⇒ ノンレム睡眠 ・・・ ]

という周期を繰り返します。

夢を見るのはレム睡眠中が多いと言われています。


うつ病と睡眠障害


睡眠障害に悩まされるうつ病患者さんは非常に多く、理研の睡眠障害の個別解説によると、患者の約8割に不眠が、1割に過眠が見られるのだそうです。

これまで知られていたのは、「うつ病にみられる睡眠障害では、レム睡眠が出現する時間帯が早まり、眼球運動の頻度も高くなる」こと。

しかし、睡眠障害のメカニズムは不明という背景がありました。

その一方で、セロトニンの活動を抑える「外側手綱核」という脳領域に関する研究にも注目が集まっていました。うつ病患者の外側手綱核では血流量の異常な増加が報告されているのだそうです。

そこから導き出された仮説。

「異常に活性化した外側手綱核がセロトニンの分泌を抑制し、うつ病症状を引き起こす」

こうして、うつ病との関連があると思われる「外側手綱核」について調べてみよう! と研究者たちが立ち上がったと。


外側手綱核と睡眠障害の関係


冒頭の研究結果は、独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター 発生遺伝子制御研究チーム 岡本仁チームリーダーらによる共同研究により明らかにされたものです。(長い……)

うつ病関連物質セロトニンを制御する外側手綱核は睡眠調節も担う - うつ病に見られる睡眠障害を理解する手がかりに-(独立行政法人理化学研究所 2013年5月15日発表) 

「うつ病はセロトニンが少なくなることで起こります」という解説はよく聞きます。これがいわゆる「モノアミン仮説」。
>>思春期のストレスがうつ病の一因?鍋島教授の研究結果

セロトニンの活動を制御する「手綱核(たづなかく)」という脳領域。

今回の報告によると、手綱核は、

「不快な状況や予想より悪い状況に陥ると活性化される」
「うつ病患者の場合は血流量の異常な増加がある」

つまり、嫌~な気分になると、脳にある手綱核という部分が活発になってセロトニンの発生を抑えるよ、ということらしい。

手綱核と睡眠障害の関係を明らかにするため、ラットを使って実験した結果得られたのは、「外側手綱核の破壊で総睡眠時間に占めるレム睡眠の割合が41%減少」というデータです。

今回の研究でわかったのは、外側手綱核が睡眠制御という機能を持つことです。睡眠制御は「レム睡眠を維持しようとする機能」とも説明されています。

また、外側手綱核の過剰な活性化が、うつ病患者のレム睡眠(浅い睡眠、脳が起きている状態)が安定的に続く原因だという可能性が考えられると。

それらをヒントに調べていけば、うつ病患者の睡眠障害のメカニズムがわかるかも! と期待できるそうです。


最後に


「うつ病の原因として、いくつもの仮説があるけれど、科学的には証明されていないからナントカカントカ~」と適当にごまかしている私ですが、こうして科学的根拠のある結果を見てみれば、「うつ病はやっぱり脳の病気なのね」と納得します。

「現象には必ず理由がある」


福山雅治演じるガリレオ・湯川学准教授もそう言ってますしね。

科学の力で、睡眠障害を治せる日も近いのでしょうか?

学者・研究者の皆様に期待しましょう。