「今後私は自立できるのだろうか?」
「ひとりで生きていけるのだろうか?」
そんな悩みをお持ちのあなたへ。
「これから自分はどうしたらいいのか」 考えただけで、不安でいっぱいになって焦ってしまいますよね。
今日は、そんなときに思い出したいこと、そして「自立」とは何なのか?
私なりの考えをお伝えしたいと思います。
どうしてこんなに苦しいの?
もしあなたが、ご家族の助けを借りながら療養されているなら。
「申し訳ない」とか「情けない」とか、自分を責めていませんか?
そのお気持ち、すごくよくわかります。いくらうつ病で働けなくなったからと言っても、バリバリ働いている年代で親に養ってもらうという現実は心苦しいものです。その上、身の回りのことも十分にできない。
「自分はなんてダメな人間なんだろう」
あなたはきっと規律正しく、自分に厳しく生きてきたのではないでしょうか?
そして、働きたいという気持ちが人一倍強いのでは?
だから余計に今の状態がつらい。
うつ病の症状だけでも大変なのに、自分の力で自分を養っていけない苦悩、ちょっとした事さえできなくなってしまった不能感が大きな痛みとなってあなたに襲い掛かる。
「うつ病になりたくてなったわけじゃないのに……!」
焦りはある意味、狂気の凶器
頭ではわかっているんですよね。焦っても仕方ない、休みが必要だって。
でも、うつ病は目に見えませんから、目安がまったくわからない。いつまで休めば治るのか皆目見当がつきません。
そうして、先が見えない状態で1カ月、2カ月……と過ごしているうちに、「このままでいいのだろうか?」とそわそわ落ち着かなくなってきます。
「このままでいいのだろうか?」という考えは、言い換えると「このままではいけない!」という焦り。無意識のうちにその言葉を自分に突き付け、追い込んでいるのです。そうして、より一層焦る気持ちが強まっていく。
それは「今のお前はダメだ!」と自分の首にナイフを突きつけているようなもの。そんな切迫した状況で「うつ病には休養が必要です」なんて言葉を受け入れる余裕はありませんよね。とてもじゃないけど休むことなんてできない。当然です。
でも、だからこそ、まずはその状態に気付くこと。
殺人鬼はここにはいません。だからあなたも。とりあえず、ナイフはしまっておきましょう。興奮してるときに考えてもろくなことはありません。
まずは、落ち着きましょう。冷静になって。
リラックスしているときが一番良いアイデアが浮かびやすいってよく言うじゃないですか。だから、ね?
「自立は、依存先を増やすこと」
あなたにとって、自立とはどういうことですか?
自分で自分を養うこと?
誰にも頼らないこと?
こちらの記事に「自立」に関する一つの答えがありました。
- 「自立は、依存先を増やすこと 希望は、絶望を分かち合うこと」 東京人権啓発センターホームページ
この中で、強く印象に残った言葉。
実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、“自立”といわれる状態よく言われる「人間、ひとりでは生きていけない」というヤツですね。自分の力だけでやっているつもりでも、どこかで必ず何かとつながっている。
もし、「誰にも頼ることなく一人で生きていく」と決めた人がいたとしても、現代社会で一般的な生活をするならば、何かしらのつながりが発生します。
家に住むためには、不動産会社との契約が必要。
電気・水道・ガスを使うには、それぞれの会社との契約が必要。
パソコン、携帯・スマホを使うには、プロバイダ・通信会社との契約が必要。
生活をしていく上で人とのつながりをすべて絶つことは難しい。山奥で原始的な生活をする以外には。
そうなると、冒頭の「今後私は自立できるのだろうか?」「ひとりで生きていけるのだろうか?」というお悩みのお答えは……?
完全に自立している人はいません。ひとりで生きている人はいません。
大切なのは、「助けて」と言えること。自分ですべてを抱え込まずに「SOS」を求めることも重要なチカラなんですね。
最後に
ここまでの内容をまとめると、「自立にこだわらず、助けを求めることも大事だよ」ということ。
しかし、「人間、ひとりでは生きていけない」という言葉はどこか抽象的で、現状を打開したいという思いをスッキリ解決できるものではないと思います。
自分が抱えている悩みの根本にあるもの、自分が本当に求めているものは何か?
これらを明らかにするためには、経済面、生活面、精神面の3つの側面から、具体的に考えてみることが必要です。これらの限られた条件のもとで詳しく分析していけば、新たな答えが見えてくるかもしれません。
というわけで、特別企画!シリーズ【うつ病さんの自立】、三夜連続でお送する予定です。
第一弾:経済的自立・・・自分の力で収入を得て生活するには?
第二弾:生活の自立・・・日常の家事、身の回りの雑務をこなすには?
第三弾:精神的自立・・・自分を大切にし、自由に生きていくには?
どうぞ、お楽しみに。
コメント
コメント一覧 (2)
人に、家族にでさえ「助けて」「できない」って言わずに、言えずに生きてきた私。
退職を決めたあの日、全身震えながら泣き叫びながら「できない。怖いよぉ」とはじめて口にしたあの日。
「あっ。この言葉、初めて人に言った。」と自分で気づきました。
頑張りさえすれば、努力さえすれば、できないことなんかない。自分はできるはずと自信過剰に生きてきて、ここで、初めて自分にも限界があるのだと思い知らされ、人間一人では生きていけないのだと思い、助けを求めることの大切さ、それは甘えではないこと、恥でもないこと、生きているんだという証だということだと知りました。
激しく同意です。
ナァナさんは本当に強い心を持って生きてこられたんですね。
頑張りすぎたために、体調が崩れてしまった。つらい思いもたくさん味わって……。
でも、そこまでやれる人ってなかなかいないし、とてもスゴイことだと思います。
きっとナァナさんは、「強い人」から「強くて優しい人」に進化されたんじゃないでしょうか?
私も大きな人間になりたいです。