「うつ」のつらさを取り去るユニークな方法を見つけましたので、ご報告させていただきます。

それは、「バカ宣言」をするというもの。

『誤解だらけのうつ治療』の著者、上野玲氏が実践されている方法だそうです。興味深い対処法ですね。

うつ病のつらさを取り去る「バカ宣言」


上野氏は「バカ宣言」について、こう説明しています。

うつうつとして頭がうまく回らない時は、「済みません。バカになりまして、今日は判断力がありません」と、早々に白旗を揚げてしまうのです。すると、相手も「バカじゃしようがない」と諦めてくれます。「バカでも頑張れ」という人とは、距離を置くようにしています。

(蟻塚亮二 上野玲『誤解だらけのうつ治療』より)


無理を押して納得できない結果に終わるよりは、この方が心身への負担も軽くなります。適切な対処ですね。まぁ、すべての場面で通用するとは言えませんけれども。

「バカ」には愛がある


私がうつ病と診断される前、ごく限られた友人の間で「バカ」という言葉を使うブームがありました。

この「バカ」は、人を否定するのではありません。「すごい」「キレイ」「うまい」などの褒め言葉の最上級として使うのです。例えば、

「この脱毛器、バカだね(最高にすごい性能だね!)」
「この油絵、バカだね(最高にキレイだね!)」
「この焼きそば、バカだね(最高にうまいね!)」

こんな感じです。バカを強調して発音します。そして「もう、素敵すぎて表現が見つからない!」という敬意を込めて「バカ」と言うのです。

当然ながら、誤解を招きやすい使い方ですので、なかなか浸透しませんでした。私はけっこう気に入っていたんですけど。

マイナス×マイナス=プラス


今振り返ってみても、この「バカ」という使い方はおもしろいですね。

素晴らしすぎると、1周回ってバカになってしまうって、どんだけ~? 

こうやって称賛すべきことを罵倒の言葉で表現するのは、バランスを取っているようにも思えます。非の打ちどころがないことがかえって不安要素になるからそれを解消しよう、というところでしょうか。

上野氏が言う「バカ宣言」について、私はこう考えました。お利口さんに考えすぎちゃった結果、その考えが高尚すぎて「バカ」の領域に入った。つまり、肯定的な意味で「バカ」と表現しているのだと。

ただの強がりにしか聞こえませんかね?

程度が大きすぎるものは「紙一重」な部分があるじゃないですか。そういう意味でね。利口すぎる人はバカ。バカすぎる人は利口。

うーん、わけわかりませんね。

心がラクになる考え方


それでですね、私は、この「バカ」と「利口」の関係が他にも応用できるのでは? と考えまして。

例えば、「憂うつ」と「爽快」。

「憂うつすぎて、どうしようもないときは、逆にもう爽快だよね!」
「爽快すぎて、もう怖いくらい。もはや憂うつだよね!」

無理がありますかね? でも、こうやって言うことによって、バランスの良い思考を維持できます。最悪の事態を予期しておけば、想定外のできごとが起きてもパニックにならずにすむのではないでしょうか。

これらのことを総合して考えると、「うつ病」は褒め言葉。頑張りすぎという素晴らしい行いが高じて「バカ(=うつ病)」になった。

そう思うと、少しラクになりませんか? ……ダメ?

まとめ


「バカ宣言」=「利口宣言」

ものは考えようですね。


最後まで、このおバカ記事、いや、お利口さんな記事をお読みいただきありがとうございます。
あぁー、何かもう、わけわかりません。



<本日の一冊>
蟻塚亮二 上野玲 (2009) 『誤解だらけのうつ治療』 集英社