こんばんは。今日も元気にお薬飲んでますか?

はぁー、服薬って楽しくないですよね。特に抗うつ薬は飲んですぐに効果が出るわけでもないですし。

最近は「新型うつ」に関する話題もよく耳にします。この場合は、薬がほどんど効かないそうですね。

ということは、薬がちゃんと効くうつ病もあるということ?

うつ病の種類


「うつ」の種類は、以下の図のようにあらわすことができるのだそうです。

140114うつ病の種類
参考:『うつ病診療最前線―再発させない治療法』

これらの大まかな分類を把握し、自分の「うつ」にどんな特徴があるのかを知っておくことが大切、と とわたり内科・心療内科の唐渡雅行氏は言います。そういった知識が薬の変更や他の治療法について主治医と相談する際の大きな手助けになり、自分を救うことにつながる、と。

しかしながら、唐渡氏は警告もしています。
自力で自分の病気の診断を正確につけることは困難であり、独断は危険を招く可能性もあるので控えていただきたい
(唐渡雅行『うつ病診療最前線―再発させない治療法』より)

うつ病の分類はあくまでも目安。患者や治療者が共通認識を持って前進するためのものです。そのことに注意して、「特徴あるタイプ」くらいに受け止めておくのが良いようです。

9つの「うつ」タイプ


では次に、それぞれの「うつ」タイプの特徴について簡単に見ていきましょう。

①メランコリー親和型うつ病


【性格】
  • 社会的役割、ルール・決まりを大切にする
  • 配慮があり、几帳面
  • 仕事熱心
【症状】
  • 焦り、考えがまとまらない、物覚えが悪くなる
  • 疲れやすい、罪悪感、申し訳ないと思う
  • 自殺企図(確実に死に至る方法を考える)
【経過】
  • 初めは「うつ病」の診断を受け入れられない
  • 治療を重ねるうちに、新しい考え方を身につけていく


②ディスチミア親和型うつ病


【性格】
  • 自分大好き、自分が一番大切
  • ルールや決まりがストレスになる
  • 自分は何でもできると感じる
  • もともと仕事熱心ではない
【症状】
  • 不全感(うまくいかない)、倦怠(どうでもいい、やる気にならない)
  • 回避、他人を非難する
  • 衝動的な自傷、“軽やかな”自殺企図
【経過】
  • 初めから「うつ病」診断に協力的
  • うつ症状を終始気にし、そこからの離脱が難しく、慢性化しやすい
  • 「うつの私」にこだわり、新しい考え方が形成されにくい
  • 置かれた環境の変化で急速に改善することがある


③非定型うつ病

  • 現実生活での好ましいできごとに反応して気分が明るくなる
  • 拒絶や批判を受けると、明らかに過剰に意気消沈したり、怒ったりする
  • 家事や仕事上の重大な責任を放棄する
  • 否定されることを恐れ、親密な対人関係を避ける
  • 不安障害(パニック障害など)との併発が多い

④双極性障害(躁うつ病)


【Ⅰ型】躁病のエピソードがはっきりしている
  • 何でもできそうな気がする
  • 睡眠が短くなる
  • 活動的でよくしゃべる、考えがどんどん湧いてくる
  • 注意が散漫になり、正確さを求められる仕事・作業に支障が生じる
【Ⅱ型】躁病相は軽躁状態にとどまって、目立った異常行動を示さない
  • パーソナリティ障害との診断が難しい
※パーソナリティ障害:うつ状態、不安定な対人関係・空虚感・不適切な怒り・見捨てられることへの不安などを特徴とする病気

⑤軽症うつ病

  • 典型的なうつ病とは異なる(「軽症」はすぐに良くなる、治りやすいという意味ではない)
  • 社会復帰が難しい場合もある

⑥適応障害

  • うつ状態があらわれる
  • ストレス状態から解放されるとまた自然に元に戻る

⑦気分変調症

  • 2年以上、軽度のうつ状態が持続する

⑧難治性うつ病

  • メランコリー親和型以外のうつ病はすべて難治性、遷延化のリスクが高い

⑨新型うつ(病)

  • 非定型うつ病か双極Ⅱ型である可能性が高い

うつ病と一言で言っても、タイプによって違いがあるんですね。

タイプ別 薬への反応


それでは、今日の本題に入りましょう。ここまでご紹介してきたざまざまなタイプのうつ病。それぞれの薬への反応を簡単にまとめました。

「うつ」タイプ 薬への反応 効果
メランコリー親和型うつ病 抗うつ薬(SSRI,NaSSA)の効果がアメリカで証明されている
ディスチミア親和型うつ病 多くは部分的効果にとどまる
非定型うつ病 SSRI単独:△
気分安定薬の併用:〇
双極性障害 抗うつ薬:×
リチウム:躁〇、うつ△
パルプロ酸:躁病予防〇、うつ病予防×
軽症うつ病 薬がなかなか効きづらい
適応障害 薬だけでは効果が出にくい
気分変調症 薬がまったく効かない場合もある

※うつ状態の中にパーソナリティ障害が隠れている場合、薬の効果はほとんど期待できない。

ここで示した評価は絶対的なものではありません。「こんな傾向があるのね~」ぐらいに思っておいてください。


最後に


うつ病の症状や薬への反応には個人差があります。そのことを踏まえて、うつ病の知識をコツコツ増やしていきたいところです。そうすれば、いつかきっと希望の光を見つけることができるはず。

焦らず、リラックスしながら、うつ病のこと知っていきましょう。


<本日の一冊>
唐渡雅行 (2010)『うつ病診療最前線―再発させない治療法』 時事通信社