うつ病の解説本を読むと、「うつ病の治療期間は半年~1年」という記述を見かけます。

「え?! 私、治療始めてから、もう何年も経つんですけど……」 

治療が長引くにつれて不安はどんどん大きくなります。症状の改善が見られず、「今の治療を続けて良くなるの?」「私、本当にうつ病なの?」と疑問に思ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなとき、専門医の意見を聞くことができるセカンドオピニオンという制度があります。

あなたが、今の診断や治療に不安を感じているならば、選択肢の一つとして検討してみても良いかもしれません。

セカンドオピニオンとは


セカンドオピニオンは、今の主治医以外の医師の意見(=第二の意見)を聞くことができる制度です。その結果をもとに、今後の治療について患者自身が判断します。今の治療を続けるか、転院するかといったことですね。

セカンドオピニオンの流れ

  1. 現在の診断・治療方針について主治医と率直に話し合い、疑問点・問題点を明らかにしておきます。
  2. セカンドオピニオン外来を行っている病院を探します。多くの大学病院、総合病院で利用できるようです。詳しくはホームページや電話で問い合わせてみましょう。
  3. セカンドオピニオンに必要な書類を確認します。今までの病歴・症状の経過をまとめたもの、お薬手帳も持参すると良いでしょう。
  4. 主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」ということを伝え、必要書類を作成してもらいます。
  5. セカンドオピニオンを受ける病院の予約を取り、意見をもらいます。
  6. セカンドオピニオン担当医が書いた意見書を参考に、主治医と今後の治療について相談します。

セカンドオピニオンの注意点

  • セカンドオピニオンは転院ではありません。
  • 主治医の同意・紹介状が必要です。
  • 最終的に判断するのは患者本人です。
  • 保険がききません(全額自己負担)。

セカンドオピニオンのメリット・デメリット

メリット

  • うつ病の理解を深めるきっかけとなります。
  • 診断が難しい病気について、情報を得ることができます。
  • 現在の診断・治療が間違っていないと確認できれば安心。主治医との信頼関係が深まり、前向きに治療に取り組めるようになるでしょう。
  • 薬物の過剰摂取の防止になります。
  • 主治医に聞けなかった疑問点をストレートに聞くことができます。

デメリット

  • 病状やそれまでの経緯を一から話さなくてはなりません。
  • セカンドオピニオンが必ず正しいとは限りません。
  • セカンドオピニオンを好まない医師もいます。
  • 相性の悪い医師に当たってしまう可能性もあります。
  • 保険がききません(全額自己負担)。

医師の考え方もさまざま


精神科医の先生によってもセカンドオピニオンのとらえ方はさまざまです。デメリットの一つにも挙げましたが、中には、セカンドオピニオンを嫌がる医師もいて、そのことでつらい思いをされた方もいらっしゃるようです。もちろん良い結果につながったという声もあります。そういった体験談や精神科医の考えを少し見てみましょう。

ケース1:今の主治医のもとでの治療をすすめる


うつ病は風邪のようには治らない | (元)うつ病患者の独り言 for はてな

セカンドオピニオンについての解説と、実際のやり取りの流れについて詳しく紹介されています。

ブログ筆者・HALさんのセカンドオピニオン担当医の回答。
うつ病で長期にわたって通院しているのなら、当人のうつ病に関して一番分かってるのは、通院しているかかりつけ医だ。かかりつけ医との信頼関係を十分構築して、納得のいく診療と処方をしてもらうのが本筋
特に問題がなければ、このような結論になることが多いようです。

ケース2:「考えが甘すぎる」


セカンドオピニオン | うつ、うつつ。~病気を乗り越えて再就職を図る実録記

やや厳しめの精神科医のお言葉。
うつ状態は本人の意思次第で何とでもなるんです。気力がないというのも気力を持とうと意識すれば、自然と改善されるはずなんです
あなたね、30歳過ぎて中途入社といえどもある程度自分で判断して行動する必要はありますよ。新卒の23,4歳の若者なら上司のフォローも必要ですけど、30歳も過ぎれば上司に頼ってるようではダメですよ。しかも、残業も8時や9時まで働いてそれがきつかったと。それぐらいはどこの企業でも普通にやっていることですよ。ちょっとこの年齢にしては、考えが甘すぎませんか?
まぁ、おっしゃる通りなんですけど、「そういう言い方ってどうなの?」とちょっと嫌な気持ちになります。心が弱っているときにこんなこと言われたら落ち込んでしまいますよね。それができないから悩んでいるのに。

とは言え、病気についての詳しい説明はもらえたようですし、セカンドオピニオンの意義はあったと言えそうです。でも、精神論のお説教が回復につながるかは疑問です。

ケース3:自分に合う病院と出会えた


セカンドオピニオン | TMS治療治療体験者による うつ病克服への道標

セカンドオピニオンを受けたことで、減薬することができたというnyankoさんの体験談。
初診に約40分もかけてしっかり診察が行われ、先生も親身に話を聞いてくださりました。また、薬や病症についての質問にも丁寧に答えてくださりました。
2件目の先生は、最低限の薬で治療する方針だったようです。
納得のいく結果を得られたとのこと。セカンドオピニオンが功を奏したケースです。

ケース4:「セカンドオピニオンは時間のムダ」


セカンドオピニオンは時間のムダ? | 精神科医の本音日記

精神科医の本音……。
精神科の薬と患者の相性は、試してみないと分からないので、医者を変える、ということは、初めからやり直す、ということになり、時間の無駄
薬を変えて良くなるものなら、今の先生がとっくに変えてる訳でありまして、今の先生が薬を変えないのは、「これ以上は良くならない」ということなのでありましょう。セカンドオピニオンを求めてきた人で僕が治療を引き継いだ人で、症状が改善した人は、殆どいません。 
うーん、確かに一理あります。先生のことを批判してばかりの人は誰に診てもらったって一緒だよ、ということでしょうか。

でも、まぁ、相性の合う合わないもありますし、先生だって間違えることはあるでしょうから、医者を変えることで良くなるケースもあるとは思います。そして、第三者の意見をもらうことで見えてくる部分もあるような気がします。

ケース5:冷静な目


セカンド・オピニオン | とりあえず俺と踊ろう

こちらも精神科医のナマのお声。いちは先生の指摘に、なるほど納得。
  • セカンドオピニオンにおいて、すべてのケースで前医の診断治療が間違っていて、セカンド医が正しいとは限らない。
  • 実際には、どんな先生でも誤診・誤治療もしているはず。
  • 前医の診断・治療と、セカンド医の診断・治療が同じケースもある。
さらに、
もしセカンド・オピニオンを考えている人がいるなら、ネットや電話ではなく、直接に受診すべきだ。みないと分からないからだ(この場合の「みる」は見る、診る、視る、観るのすべて)。
こういった冷静な対応・判断をしてくれる理性的な医師に診てもらいたいものです。

そして、患者自身も冷静に(批判的にならず、盲目的にもならず)、物事を見極める目を養う必要があります。なかなか難しいですけどね。

最後に


私はセカンドオピニオンを利用していません。理由は、主治医と気まずくなりそうだったから。「セカンドオピニオンを受けたい」と言う勇気がなかったんです。はい、小心者です。あと、気力がなく面倒だったからということが大きいですね。

しかし、こうしてメリット・デメリットをふまえて考えてみると、セカンドオピニオン制度を利用する価値は大いにあると感じました。うつ病について勉強し、疑問点・問題点をはっきりさせた上で専門医の意見を聞けば、きっと役に立つ答えが得られるはずです。

とは言え、うつ病で調子が悪いときに難しい本を読むのは大変ですから、そんなときでも無理なく学べる情報をこのブログでご紹介していけたらと思っています。