砂浜

こんばんは。今日もぼんやりしてますか?

なーんて言いつつ、どちらかというと私はぼんやり過ごすことが苦手なんですけどね。何かしてないと不安になるというか、何もしていないことが罪悪感になるというか。その最たるものが「仕事しなきゃ!」という焦りにつながっているような気がします。

まぁ、実際、現代社会で生きる上で24時間ぼんやり過ごすことはできませんし、いつの時代だって「ぼんやり」は称賛されるものではなかったでしょう。

ですから、ぼんやりできなくて当然と言えば当然。「それもまたよし」といったところでしょうか。


さて、ぼんやりぼんやりと言っていますが、「ぼんやり」とは具体的にどういう状態のことでしょう?

【ぼんやり】
1 気のきかない人(状態)。
2(副)
①物の形・焦点がはっきりしないことを表す。
②意識が一点に集中しない(ように見える)ことを表す。
③その時なすべき事を(うっかりして)しないことを表す。
(新明解国語辞典より)

なるほど、ぼんやりですね。

今、このページを読んでくださっているあなたは、きっとよく気が利く方で、仕事に集中して取り組み、問題や対処法をはっきりさせ、取りこぼしがないように慎重に物事にあたるタイプではないでしょうか? 

そんなあなたに必要なこと。そうです、それが「ぼんやり」です。

しかし、いざ「ぼんやり」を実践しようとしてみても、なかなかうまくいかない。身体がダルくて頭も回転しておらず、一見ぼんやりしているようだけれど、実はまったくそうではない。むしろ、神経質になって、感覚は研ぎ澄まされているように感じているかもしれません。

そんな心と身体をほぐすために。オススメしたい映画があります。

2007年公開の映画「めがね」です。

内容紹介
何が自由か、知っている。

たそがれどきを迎えるすべての人へ。
『かもめ食堂』のスタッフとキャストによる、一瞬のようで永遠のような、たそがれどきの物語。

春、この世界のどこかにある南の海辺。人生の一瞬にふと立ち止った女性が、訪れた場所に流れるのどかな時間と、そこで出会う人々との奇妙なふれあいを通じて、日常の中で忘れていた何かを取り戻していきます。最近、旅をしていますか? 胸を張ってひとりで、大切な人と一緒に。「めがね」のなかにきっとみつかるあなただけの海で、心ゆくまでたそがれどきを過ごしてください。


**********


正しい「たそがれ方」を教えてくれる映画です。

自然に、まったり、のんびりと。肩の力を抜いて見てみてください。

なんにもない、つまらない作品かもしれません。でも、私には大切なものがたくさんつまっているように見えました。心のやすらぎ、充足感という言葉がぴったりな、ぼんやりするための作品。


ちなみに、たそがれ(黄昏)というのは、夕やみを意味する言葉で、ボーっと考え事をするというニュアンスとは少し違うみたいです。

語源は、暗くなってきて顔の区別が出来ないので、誰(タ)そ彼(カレ)、つまり「お前はだれか」と尋ねる、ということ。また、盛りを過ぎて終わりに近づこうとするころ、という意味でも使われます。


……あら、いけない。また「ぼんやり」を「はっきり」させようとしてしまいました。

きっちりかっきり線引きしようとすると、見えなくなってしまうもの、わからなくなってしまうものがある。今まさに、それを感じ入ったところでございます。


それでは、ぼんやりタイム、スタート!