Clown Thinker
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「私の気持ち、うつ病の苦しみを誰も理解してくれない」とお悩みのあなたに。

お伝えしたいことがあります。私も自分の思いが伝わらないことに悩んでいたから。

よろしければ、お付き合い下さい。



[あるうつ病患者のつぶやき]

私は誰にも理解されない。どんなにつらくても。どんなに苦しくても。

父には「何事も自分次第。おまえにその気がないだけだ」と一喝され、
母には「あなたのためを思って言っているのにどうしてわからないの?!」と悲愴の言葉をぶつけられ、
兄には「そんなんじゃ社会でやっていけないぞ」とダメ出しをされ、
姉には「あんたはちょっと甘えすぎ」となじられ、
弟には「自業自得じゃない?」と見下され、
妹には「私はあなたみたいになりたくないから」と言い放たれ、
友人には「私の方が、こんなにつらい思いをしてるのに」と責め立てられ、
恋人には「おまえと一緒にいると疲れる」と突き放され、
先輩には「みんなつらくても頑張っているんだから」と諭され、
後輩には、距離を置かれ。

私はそんなに悪いことをしたの? これからどうすればいいのかもうわからない。

どうして誰もわかってくれないの? 私がこんなに苦しい思いをしているのに。私はみんなのことを大切に思っていろいろなことをしているのに、どうしてそれを無視するの? こんなふうに軽く見られていると思うとつらい。

真剣に考えているのは私だけ? 私がおかしいの? 頑張りたくても頑張れない私は責められて当然なの?

確かに、私にも悪いところはあるかもしれない。でも、なぜみんなはそんなに自分勝手にふるまうの? 私にはわからない。

きっと私には、それだけの価値しかないってことなんだね。どうでもいいんだよね。私はひとりぼっち。私の気持ちなんて誰にもわかりっこない。つらいし、苦しい。誰も信じられない。もう死にたい。


**********


今この文章を読んでくださっているあなたと、何か共通点はありませんか?


つらい。苦しい。

自分の気持ちが伝わらず、強い言葉をぶつけられたら、誰だって落ち込んでしまいます。心は傷付いてズキズキ痛むことでしょう。

それでもあなたはここまで耐えてきた。その頑張りはとても立派なことです。

誰にもあなたの気持ちをわかってもらえなかったこと、悲しいですよね。悔しいですよね。寂しいですよね。あなたが抱える苦悩は味わった人にしかわかりません。あなただって、好きで病気になったわけではありませんよね。

あなたは優しくてまっすぐで、相手のことを心から大切に思っています。だからこそ、なぜそれが伝わらないのか疑問に思ってしまう。当然です。

しかしながら、心に浮かんだ感情を表現するのはとても難しいことです。それゆえ、本音を見失ってしまったり、感情的になって心にもないことを言ってしまったり。ご家族や周囲の方々もそうではないでしょうか?

私には、周りの人たちの言葉がこう聞こえました。

お父さん「おまえのことを信じてるよ。大丈夫、応援しているよ」
お母さん「あなたは私にとって、かけがえのない存在なのよ」
お兄さん「まずはしっかり調子を整えないとな」
お姉さん「あなたのことがうらやましい」
弟さん「仕方ない、受け入れなくちゃいけないこともあるよ」
妹さん「ずっと素敵でいてほしい」
ご友人「あなたはひとりぼっちじゃないよ。私がついてるよ」
恋人「君のこと受け止めたい」
先輩「おまえは頑張ってる。これからも一緒に進んでいこう」
後輩(先輩のこと傷付けたくない。今はそっとしておいた方がいいかな)


「そんなわけない!」

そう思うかもしれません。確かに、「私のこと何も知らないくせに勝手なこと言わないで!」と言われたら、私には返す言葉もありません。すべてあなたの言う通りなのかもしれません。

ただ、お聞きしたいのです。あなたのご家族やご友人、周りの方々は、あなたのことを否定しているのでしょうか? あなたのことを受け入れる気がまったくないのでしょうか?

「怒鳴られ、冷たい態度で、キツイ言葉をぶつけられたから」
「私は、そのことでこんなに傷付いているんだから」

そうですね、確かに彼らの言い方はちょっと配慮に欠ける部分があります。でも、彼らはあなたを傷付けてやろうと思ってキツイことを言ったのでしょうか? もし理解しようという気がなかったら、あなたにエネルギーを費やすことはしないのではないでしょうか? 私だったら、どうでもいい相手は無視してしまいます。


相手に自分のことを理解してもらう方法は一つ。まずは、相手の気持ちを理解すること。相手の立場で考え、真意をくみ取る、あるいは相手の良いところを見つける。

あなたが家族や友人に理解を求めているように、相手もあなたに自分の気持ちをわかってほしいと望んでいるはずです。

「あの人たちのことを理解するなんて無理!」

そう思うなら、自分の気持ちを理解してもらうのはあきらめましょう。

考えてみてください。もし家族や友人に「あなたのことなんて理解できない」「でも私のことは理解して」と言われたらどうでしょう? 「なんて自分勝手な!」と思いませんか? そういう心の状態で理解し合うことはできません。

ですから、今はいったん距離を置きましょう。時間が経って、お互いの気持ちに変化があらわれれば、きっと分かり合える日は来ます。


近くにいるからこそ、見えなくなってしまうものもあります。「お父さん」「お母さん」「友達」「恋人」などの役割は、あくまでもその人の一部に過ぎません。

彼らも人間。感情を持っています。心変わりもします。考えが矛盾することだってあります。みんな完璧ではありません。


そう考えると、その人のすべてを理解することがいかに難しいか、よくわかります。

今すぐ、すべてを変えることはできません。相手も人間、自分も人間。じっくり時間をかけて、心の声に耳を傾けていきましょう。